今回の満足度:5点(5点満点中)
(以下ネタバレ)
あらすじ
ロッシーニ家を倒し、故郷のシスティナを開放したテオは、魔法師協会からも正式に領主として承認される。
黒魔女ヤーナの生け捕りに成功したシルーカは、大聖堂の惨劇の真実を明かすためにヤーナを詰問するが、ヤーナは狂ったように笑うばかりで何も答えてくれない。
しかも、魔法師協会はろくな取り調べもせずにヤーナの処刑を決定してしまい、シルーカは協会への疑念を抱く。
一方、大陸ではアルトゥークの統治に手を焼いたミルザーが、一部の民の粛清を始めていた。反抗を続けていた独立君主の何人かも命を落とし、力での統治が確立しつつあった。
急ぎ帰還したテオは、条約の諸侯の前で改めてミルザー打倒を誓う――。
感想
黒魔女の処刑シーンがえげつなく、システィナの領民にトラウマを残すのが目的なんじゃなかろうか? 等と思ってしまった。
実際、魔法師協会が何やら画策しているのは確かなようで……テオとシルーカの敵は案外近くにいるのかもしれない。
アイシェラがヤーナに向けたと思しき「さよなら」という言葉も何やら意味深。
二人の間になにか因縁があったのか、それともこれからそれが明らかになるのか……。
ミルザーは、もう少し他者を認める気概を持てば、間違いなく名君になっただろうに……と思ってしまう。
一度見下した相手は死んでも認めない、そんな頑なさ――というか未熟さが、彼の最大の弱点だろう。
テオをあそこまで甘く見るのには、もしやヴィラールを見限った自分をどこかで「間違っていた」と感じていて、それを認められない思いがあるからだろうか? まあ、そんな殊勝な質には見えないので、もっと違う理由なのだろうが。
ノルドのウルリカは、未だにどんなキャラクターなのかよく分からない。
マリーネにはよく懐いているようだがミルザーの事は嫌いなようなので……もし彼女がミルザーがマリーネの純潔を汚したと知ったら、殺しにかかるのではないか、等と益体もない事を考えてしまった。
グランクレスト戦記 10 始祖皇帝テオ (ファンタジア文庫)
- 作者: 水野良,深遊
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2018/03/20
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (2件) を見る