今回の満足度:5点(5点満点中)
(以下ネタバレ)
あらすじ
牧瀬紅莉栖を救えなかった世界線において、岡部倫太郎は「鳳凰院凶真」を捨て、普通の大学生として毎日を過ごしていた。
だが、かつて世界線を放浪し、愛する紅莉栖を喪った心の傷が癒えるはずもなく、その内心は常に苦痛に満ちてもいた。
そんなある日、ゼミの手伝いで紅莉栖が研究員を勤めていたヴィクトル・コンドリア大学の教授の講演に関わることになった岡部は、一人の女性と出会う。
比屋定真帆。紅莉栖と同じくヴィクトル・コンドリア大学の研究員を務める彼女と、彼女が関わるとある研究が、岡部を再び数奇な運命へと導くことに――。
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感想
完全なるハッピーエンドを迎えた前作「シュタインズ・ゲート」だが、あの物語には、ゲーム的に言えば「バッドエンド」とも取れる物語が前日譚として内包されていた。
キャラクターの口から間接的に語られるだけだったその前日譚が、いよいよこうしてTVアニメとして白日のもとにさらされることになった(CDドラマや小説、ゲームでは発表済みだったが。)
最後には岡部が「勝利」することは分かっていても、この前日譚たる「ゼロ」はどちらかというとハッピーエンドを導くための生贄であり、岡部の先行きには辛く険しい道が待っている事が分かっているわけで、はっきり言ってしまうと「見るのがしんどい」作品でもある。
しかし、岡部倫太郎を、そして牧瀬紅莉栖というキャラクターを、シュタインズ・ゲートという作品を愛するものとして、避けては通れないだろう。
心を落ち着けつつ、覚悟して最後まで付き合うこととする。
さて、一見リア充めいた岡部の現状だが、その内実は暗く、毎日が拷問のような日々である事だろう。
鈴羽はそれをよく分かっていながらも、それでも苦言を呈さずにはいられない。彼女は「生き地獄」で育ってきた人間だから、それは仕方ない。
しかし、岡部が再び世界線を変える覚悟を決められないのは、自分が傷つくのが嫌だから、という訳ではないだろう。彼はもう、大切な人達が傷つく姿をみたくないだけなのだ……。
一方でダルがリア充街道まっしぐらなのには苦笑を禁じ得ない。
とはいえ、鈴羽の口から衝撃的な事実――彼女の母親の無残な最期が明かされるなど、来るべき避けられぬ悲劇が水を指しているのだが。
比屋定真帆については、子供扱いされたから以上に、彼女自身が尖った性格であるようにも思える。岡部の新たな相棒ポジションになるのか、それとも……。
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