たこわさ

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浅野りん「であいもん 4」感想

本作は連載でも追っているのですが、単行本で続けて読むとまた違った味わいがあり、作者さんの丁寧な構成力を感じます。

クリスマスイブ、和を巡って水面下で火花を散らす美弦と佳乃子の姿には、不謹慎ながらも笑いがこみ上げてきますね。当の和が全く気付いてない所がまた気の毒でもありますが……。

そして全てを察している一果ちゃんの、更に気の毒な事(苦笑)
せっかくお母さんと二人きりのイブなのに、和達三人の事が気になって仕方ない様子です。

そんな「鈍ちん」の和ですが、異性関係以外は相変わらず良く気遣いが出来ていて、今回も様々な人情噺を見せてくれます。
正月休みの時、亡き母の為に緑松のお菓子を供えたいと悩む人には、「知り合い」になって自分が練習で作ったものを分けてあげたり。咲季くんが思い悩んでいれば、冗談交じりに女装に付き合ってあげて息抜きさせたり。時を超えた恋愛の仲立ちをしたり……。

一番肝心の一果ちゃんについても、彼女が父親に置いていかれたトラウマを抱えているであろう事をきちんと察してあげて、彼なりの優しさで包んであげたりですね……いやいや、和さん本当にいい男だな!! 壊滅的に恋愛感情に疎いけど!w
でも、ラノベ主人公によくある病的な鈍さじゃなくて、優しいが故の鈍さというか、相手を一個人として見てあげているからこその鈍さなんでしょうね、彼の場合。
この和の絶妙なパーソナリティは、流石主人公が好感度高い事で定評のある(?)浅野先生だな、と毎度感心してしまいます。

次巻も楽しみです。