たこわさ

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ヴァイオレット・エヴァーガーデン 第6話 感想

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今回の満足度:5点(5点満点中)
(以下ネタバレ)

あらすじ

高い山の上にそびえる天文台に、うら若い乙女達が列をなして向かっていた。
彼女達は全員が自動手記人形であり、ヴァイオレットの姿もその中にあった。
彼女達の任務は、天文台の職員とペアを組み、貴重な書物の写本作業をすることにあった。

ヴァイオレットがペアを組んだのは、リオンという名の若い職員。
自動手記人形に良い印象を持っていなかったリオンだったが、ヴァイオレットの浮世離れした雰囲気に次第に心惹かれるようになり――。

感想

何か大きな事件が起こるわけではない、ある種の予定調和的なシナリオだったが、今回も上質なそれだった。

私は本作を、ヴァイオレットが「自分も人間である」と理解するまでの物語であると捉えている。*1
人間を人間たらしめるのは大きな事件などではなく、小さな小さな日々の積み重ね、そしてこの世に生まれ落ちてから出会い、別れていった人々との思い出である……というメッセージを、本作からは感じてやまない。

悪く言えば地味な脚本なのだが、この年になってくると拘りのギミックで「あっ」と言わせるようなストーリーラインよりも、地に足の着いたそれの方が好ましくも思えてくる。

そして脚本が地味である分、作画・演出は実に多弁で優雅でもある。
いくつもの直喩・暗喩が込められたキャラクター達の所作や背景美術の数々は、時にセリフ以上の情報量を備えているように見受けられる。

こういう丁寧なアニメーションには成功してもらいたい所だが、世間で売れているのは「分かりやすい」作品が多く、本作もセールスでは苦戦するのではないか、と危惧している。
少しでも多くの方に、本作の良さが伝わればいいのだが。

*1:あるいは、人間であると自覚してからの物語、か。