今回の満足度:5点(5点満点中)
(以下ネタバレ)
あらすじ
数ヶ月の時が流れ、ヴァイレットは既にいくつもの依頼をこなすまでに成長していた。
そんな中、ヴァイレットはとある大仕事を任せられることになる。
大戦は終わったが、未だ各国の間に遺恨が残っていた。
その解消の一環として、ドロッセルの王女とフリューゲルの王子との縁談話が持ち上がっていた。
ヴァイオレットに任されたのは、王女シャルロッテ側の公開恋文の代筆で――。
感想
国と国同士の難しい舵取りに個人の感情をどう乗せるのか、という話かと構えていたら、思いの外に「個人」に寄った話だった。
だが、そこに至るまでの流れが何とも心地よい。
ヴァイオレットが急に成長していて驚いてしまったが、アイリスの件が良いきっかけになり、その後めきめきと頭角を現したのだ、と考えることにした(笑
元々飲み込みの良いヴァイオレットのことなので、きっかけさえあればコツを掴むのは簡単だったのだろう。
……しかし、ヴァイオレットの推測年齢14歳には驚いてしまった。
「子供」呼ばわりされていたから相当に若いのだろうとは思っていたが……。
ヴァイオレットが古今東西の「年の差」恋愛について熟知していたのが、実はギルベルトへの自分の想いが恋愛感情ではないかと考えた結果だったとしたら、中々に微笑ましい(と同時に痛ましい)。
そして、成長を迎えたヴァイオレットに降りかかる試練。
彼女をギルベルトへ引き合わせたディートフリートの登場が、ヴァイオレットにもたらすものとは……?