たこわさ

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Fate/Apocrypha 第6話「叛逆の騎士」感想

Fate/Apocrypha [小説版] “赤


基本的に原作バレ無し。シリーズ知識の解説のみ書く方針。
今回の満足度:5点(5点満点中)
(以下ネタバレ)

あらすじ

拠点をカタコンベから街中に移した獅子劫界離と赤のセイバーに、魔術協会のロード・エルメロイII世から連絡が入る。なんでも、ルーマニア全土で起こっている連続猟奇殺人の被害者は魔術師達であり、犯人は彼らを殺しその魔力を得る「魂喰い」つまりサーヴァントであるという。

「神秘の隠匿」に反するその行為は、当然ユグドミレニア陣営のものでもないはずであり、放置しても置けない。魔術協会は獅子劫にその調査と対処を依頼する。

街中に出た獅子劫は自らを囮とし、殺人鬼サーヴァントをおびき寄せようとする。その狙いは的中し、不思議な毒霧と共にサーヴァントが姿を現すが――。

感想

前二話を私的には低調に感じていたが、今回は30分を非常に短く感じるほどに濃密だった。

モードレッドの生前の記憶で、アーサー王と円卓の騎士が揃い踏みしたのはファンサービス、といった所か?
デザインがFGO準拠(特にランスロット)だったので、FGOファンへの訴求を狙ったものかもしれない。TV放送で観ていた方には、更に「水着イベント」CMという隠し玉が待っていたし、どちらにしろ(悪い意味でなく)マーケティングの一環でもあったのだろう。

モードレッドについては、Fate世界においてはアーサー王の魔術的複製、王の腹違いの姉・モルガンが自らの因子とアーサー王から採取した因子を使って創り上げたホムンクルス(人造人間)という事になっていたと記憶している。
原典では、ただ単にアーサー王の甥だったり、モルガンが実の弟を魔法で誘惑して無理やり子種を搾り取った不義の子だったり、アーサー王が姉と知らずに手を出した結果出来た子だったり、と諸説ある。
場合によっては、サー・ガウェインやサー・アグラヴェインと異父兄弟という設定になる場合もある。この辺り、伝承と創作が入り混じったアーサー王伝説ゆえの設定の揺れだろうか。*1

さて、黒のアサシン=ジャック・ザ・リッパーを巡って、獅子劫とフィオレ、モードレッドとケイローンとの本格的な衝突が始まった。
正直、ジャックやシロウ神父のようなイレギュラーだらけの状況なので、「魔術師対魔術師、サーヴァント対サーヴァントの尋常なる勝負」を観たかった層としては不満が募りそうな雰囲気もあったが、今回ようやくまともな戦いを見られた、と言ったところか、

魔術師同士の戦いに慣れているであろう獅子劫をして苦戦させるとは、フィオレは確かに「天才」と呼べるのかもしれない。
とは言え、奮戦虚しく獅子劫の凶弾*2を浴びせられたのだが……ああいう引き方は十中八九他の介入があって無事に終わる、という展開が待っているので、あまり緊張感は無い、か。
フィオレにどこか天然な雰囲気があるのも、殺伐とした雰囲気を和らげている要因かもしれない。

あと、獅子劫が隠れていたあの自動車はどれだけ丈夫なのだろう? 等という野暮なことも考えてしまった(笑)。

ケイローンとモードレッドの戦いは、マスターとは逆にケイローンが圧倒しているようにも見える。ギリシャの名だたる英雄達を育て上げたケイローンと、叛逆の騎士とでは少々格が違うようにも思えてしまうが、本作のモードレッドはかなりの強キャラとして描かれているので、このまま終わるはずもないだろう。

*1:そもそも、モードレッドの母をモルガンとするのも間違いである場合もある。というのも、伝説にはモルガンという名の別の女性が登場するのである……詳しくは各自調べて欲しいw

*2:よく見ると人間の指