基本的に原作バレ無し。シリーズ知識の解説のみ書く方針。
今回の満足度:3点(5点満点中)
(以下ネタバレ)
あらすじ
赤のバーサーカーの暴走を鏑矢として、赤の陣営と黒の陣営の本格的な戦闘が遂に始まった。黒の陣営のサーヴァント達の猛攻を前にしても前進を止めぬ赤のバーサーカーだったが、やがて力尽き動かなくなる。
だが、赤の陣営には動揺はなく、赤のライダーはそのすさまじい実力で、黒のセイバーと黒のバーサーカー二騎を相手に渡り合ってみせる。赤のアーチャーの精密射撃による援護もあり、赤のライダーは無敵であるかに見えたが、黒のアーチャーの援護射撃は、まるで赤のライダーの動きを読んでいるかのごとく正確さで襲い掛かってくる。
強敵の出現にほくそ笑む赤のライダーだったが、その時、マスターのつまらぬ虚栄心により黒のセイバーが理不尽な命令を受けてしまい――。
感想
赤のライダーとか黒のセイバーとか言う単語を連呼していると、書いていて自分でも訳がわからなくなってきたので、そろそろ真名で語るようにするかもしれない……。
サーヴァントによる多対多の戦いに、「こういうのを見たかった!」と思った方も多いのではないだろうか? 正直、このまま集団戦を描き続けてくれてもよいのだが……どうやら物語は個人個人にスポットを当てる形で進行しそうだ。
「理性が蒸発」しているが故か、それともマスターとの信頼関係が皆無だったからか、アストルフォは黒の陣営に背き、ホムンクルスの少年を助けてしまった。使い魔たるサーヴァントとしては失格のその行動は、しかしアストルフォにとっては「英雄として譲れない一線」であった。すなわち、彼にとっての「英雄としての矜持」そのもの。
ジークフリートが、彼のその魂の叫びに感銘を受け、自らの心臓(霊基)を少年に移植したのは、ジークフリートが唯一の悔いとしていたのが「求められれば応じる」生前の生き方であり、「助けを求められぬ人々を救う」事こそが彼の切なる「願い」であったから……というのは、プロットとしては何とも壮絶かつ「英雄」というものを見事に描いたものであるように感じた。
ただ、あまりにも展開がスピーディーすぎて、私的には「雑」にも感じてしまった。もちろん、変にジークフリートの葛藤を延々と描かれてもそれはそれで冗長に感じただろうが……。
正直、私的には今回の見所は、赤のライダーとアーチャーの「戦闘狂」と「プロ」振りだったように思えた。戦いそのものが誉れであるライダーと、冷徹な狙撃手として役割を果たすアーチャー。シンプルだが、そこに彼らの生き方が表れており……。
本作は、アクションシーンや日常シーンはそこそこ以上のクオリティだが、自己葛藤的な場面を描くのはあまり上手じゃないな、と感じた。
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- 発売日: 2017/10/31
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