たこわさ

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「双星の陰陽師 12」感想――ろくろが手に入れた新たな力とは?

双星の陰陽師 12 (ジャンプコミックス)

アニメは残念な事に(以下略
(以下、ネタバレ含みます)

御前試合編がいよいよ開始。
サブキャラクターの掘り下げに加え、ろくろと繭良の修行の成果が遂に明かされました。

バトル、バトル、またバトル

元々アクション漫画の本作ですが、今回は人対人の試合形式でのバトルが続くという事で、やや今までと趣が変わってきています。
アクションシーンの作画についても、その点を意識してのものなのか、今まで異なりどちらかと言うと前作「貧乏神が!」に近いノリになっている印象。

ケガレ相手の戦闘ではないので、いつもよりバトルの合間にコミカルなシーンが多いのも印象的ですね。

そしてここぞとばかりに掘り下げられるサブキャラクター達の内面。何せ、島編になってから一気に新キャラが増えたものですから、どこかでこういったエピソードは必要だろうな、と思いっていましたが、予想以上にきちんとそれぞれのキャラクターを作り込んでいるな、と言った印象。

覚醒の繭良

島に来てからメキメキと実力をつけてきた繭良。試合では残念ながらすばるに完敗してしまいましたが――何やらすばるに見込まれた様子で、無理矢理「弟子」にされてしまいます。
すばるが紅緒の師匠というのはアニメと共通の設定ですが、原作の方のすばるは、紅緒の本質――彼女の守護者と呪の本質が邪悪極まりないという事――を知っている様子……。

繭良を強引に弟子にしたのは、紅緒がもし闇に堕ちた場合、自分の代わりに殺してもらうつもり……と読み取れますが、果たしてその真意は? 恐らくはミスリードの類ではないと思いますが……。

少なくとも、繭良が紅緒に勝るとも劣らない逸材である、という点は確かなようですね。

ろくろvs勘久郎

ろくろの初戦の相手は勘久郎。まだまだ本来の実力では格上の相手ですが、ろくろは臆する事がありません。
しかも勘久郎の親友・憲剛からの「勘久郎の本気を引き出してほしい」という依頼まで引き受けてしまって……。

どうなる事やら、と思っていたら、ろくろの隠し玉・式神「焼きおはぎマン」がとんでもないチート。結界部隊が「天馬が戦っていると思え」と慌てるほどの火力(ただし時間限定)。
いやいや、そう言えば忘れていましたが、ろくろはケガレの腕があるから強いんじゃなくて、そもそも悠斗がライバル視するほどの「天才」なんですよね……。不器用だけど。式神呪装も、RPGのキャラメイクで言えば「筋力に全振り」みたいな思い切りの良さ。

何か、最近の少年漫画主人公って、「策士」タイプか「チート」タイプしかいない印象が強いので、ろくろみたいな「一点突破型」の王道主人公って、見ていて気持ちがいいんですよね……。

試合の結果は次巻に持ち越しですが、勝敗はどうあれ、もうろくろを「弱い」とさげすむ者は、島にはいなくなるのではないかと思われます。

バトル続きでストーリーが進んでないが……?

で、バトルしつつキャラの掘り下げをやっているので、肝心のストーリーはあんまり進んでいない訳ですが……何とも驚きの「紅緒」編同時連載という展開に。本誌ではなく季刊であるCROWNの方での連載になるそうですが、作者氏は体がもつんでしょうか?(笑)

とは言え、本誌でろくろ視点と紅緒視点、交互に進めていったら全然話が前に進まないでしょうから、この位は必要なんでしょうね。他のサイドエピソードのように、他の作家さんに任せて小説やらの形にする、という手もあったでしょうに……恐るべきは助野嘉昭か。

ジャンプSQ.CROWN 2017 SUMMER

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