今回の満足度:4点(5点満点中)
(以下ネタバレ)
あらすじ
真道の複製体と共に「ナノミスハイン」を人類に広めはじめたザシュニナ。真道と沙羅花は、ザシュニナを止める為に密かに協力者を募り、対策を始める。だが、真道にとってこれは「戦い」ではなくあくまでも「交渉」であった――。
感想
前回からの作風の変化に戸惑っている方もいそうだが、ある種の古典的なSFのクライマックスは、主人公が物語全体を通して得た「武器」――行動力であったり未来の発明であったり人脈であったり――を駆使して強大な敵に立ち向かう、というものも少なくなく、私的にはむしろ許容範囲内の展開である印象を持っている。
もちろん、個人個人の好みもあるのだろうが――「ザシュニナに冴えた正解を見せてほしかった」と思ってしまった方がいたとしたら、それはもう制作陣の術中にハマっている証拠だろう。叡智を授けてくれる超越者が、必ずしも人類にとって有益とは限らない、というのはそれこそSFの古典的展開だ。
性急に見える真道と沙羅花のラブシーン(笑)についても、あの時点で真道が死(もしくはそれに近いこと)を覚悟してザシュニナに挑むという事の示唆でもあるし、不自然に二人の仲が急接近した、という訳ではないだろう。
途中で登場した製作所については、第0話(配信のみ)でのネタなので、そちらを観ていないと少々唐突な感じがあるのではないだろうか? 何故普通に第一話として放映しなかったのか……。
実質人類の存亡をかけた戦いを「交渉」と言ってのけた真道の胆力には恐れ入る。短期的にザシュニナを退けても意味はなく、彼に目的を諦めさせるのでもなく、別のより有意義な目的を見出させる事こそが真道にとっての「勝利」というわけか。
ザシュニナは完全にヤンホモ化してしまっている印象があるが、品輪博士に対して見せた自然な笑みや「夢」を見ている様子などからは、それこそが彼が「人間」を真に理解しはじめた証拠であるようにも感じる。
さて、一体どんな結末を迎えるやら。
- 作者: 奥橋睦,野崎まど,東映アニメーション
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2017/06/23
- メディア: コミック
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