今回の満足度:5点(5点満点中)
(以下ネタバレ)
あらすじ
グリが姿を消した。コラリと柚はひたすら彼女の心配をするが、青司はどうせいつもの気まぐれだろう位にしか考えず、茜に至っては「邪魔者が消えた」とご機嫌さを隠しもしない。だが、コラリと柚の心配は決して杞憂ではなかった。グリが姿を消したのは樒がそそのかした結果であり、しかも樒の裏には――。
感想
天使もかくや、という柚の言動が素晴らしい……。コラリと並んで、間違いなく本作の良心。
一方、いつもは気遣い屋である青司が、グリの異変には全く気付かないどころか、心配していたか聞かれて憎まれ口を返してしまう、というのは人によっては冷たいように映ったかもしれない。だが、グリが気まぐれ屋は気まぐれ屋なりに人情を持ち合わせている事を知っているのは、実は「友達」である柚だけだ。青司の前では、グリはひたすら迷惑な存在でしかなかった。
とは言え、迷惑は迷惑なりに、青司としてもグリに情が湧いているのは確かで、だからこそ「いつも通りに」苦言を呈したのだろう、と考えられる。
茜については……柚が青司と仲良くしていても(表面上)怒らないどころか、柚にとっては良いことだ、と受け入れている点からみても、これ以上グリにかき回されたくない(青司と柚と仲良くやっていきたい)と考えているのであろうことが伺える。この点、彼女は徹底している。
終盤になってシリアス展開になってきた感があるが……そこはそれ、この作品の本質はブレないので、原作未読組も安心して頂きたいと思う。油断はするな、とも言っておくが(苦笑)。
- 作者: 三星めがね
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