たこわさ

アニメやゲーム、映画・本などのレビュー・感想・情報を中心にお送りする雑多ブログ。

戸土野正内郎「どらくま」最終6巻――こうして「戦国」は終わっていく

どらくま 6 (BLADE COMICS)

六巻で見事に描ききった、という印象。

物語全体としては、今回の「伊達編」以降もまだまだ続く余地はあるのですが、源四郎が刀を「捨て」、大獄丸と髑髏にまつわる話も消化、一応の落とし所としては、まずまずなのではないでしょうか?
――とは言え、昨今珍しい位にストレートな「忍術」やら「剛剣」やらが大活躍するアクション時代劇マンガだっただけに、もう少し長く読みたかったな、という思いもあり。作者の戸土野氏は「時代劇は苦手」等と仰ってましたが、中々堂に入った感じでしたし。

歴史の要点については史実通りに描き、そこに「至るまでの間」で忍術合戦が繰り広げられる、と言えば言わずもがな山田風太郎大先生の特徴的な作風ですが、本作はそれに近い外連味と歴史に対するリスペクトを感じてやみませんでした。

作者氏の次回作に期待するとともに、本作の続きも切望するところ。