たこわさ

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進撃の巨人 Season 2 第34話「追う者」感想

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今回の満足度:5点(5点満点中)
(以下ネタバレ)

あらすじ

エレンが目覚めると、そこは巨大樹の森の樹上だった。傍らには自分と同じく連れ去られてきたユミルもいたが、彼女は片手片足を、エレンは両腕を喪失しており、回復まではまだ時間がかかる様子だった。
ライナーとベルトルトは、少し離れた枝の上にいた。しかも二人共立体機動装置を付けており、今のエレン達に彼等の隙をつくことは不可能に思われた。それでも、二人の行動に怒りを隠しきれないエレンは、食って掛かってしまう。ユミルはそんなエレンに対し、現実を見据え冷静になって情報収集に務めると諭すのだが――。

感想

エレンが全く成長しておらず、いいのか悪いのかどうにも判断に困る。彼がもっと上手く立ち回れば、ライナー達がひた隠しにする「秘密」の一端を知ることが出来たはずだが……。
ユミルは決してエレンの「仲間」とは言えないようだが、それでも彼に対して一定以上の思いやりを見せていた。クリスタの事を引き合いに出され口を噤まざるを得なかったが、それでもエレンに「世界の真実」を教えようと、精一杯の努力をしていたように思える。エレンは彼女が最終的に口を噤んだ事に怒りを向けていたが、それは筋違いという物だろう。

この、視聴者視点でなくとも呆れてしまうようなエレンの直情馬鹿ぶりこそが、本作が「観る人を選ぶ」最たる理由かもしれない。達観している人間ならば、エレンは狂言回しであり*1、その他のキャラクターにこそ英雄性や成長を感じるのだろうが、全ての人間にそんな肝要を求められるかと言ったら、それは否だろう。

いよいよ壊れてしまったライナー。マルコを意図的に巨人に食わせたことで、彼の人格は完全に崩壊してしまい、結果として「兵士」と「戦士」の二つの人格に分かたれてしまった。
アニもベルトルトも、壁の中の仲間達に一定以上の情は湧いていたようだが、それは「戦士」としての覚悟を揺るがすものではなかった。だが、ライナーは違った、という事か。アニはともかくとして、ベルトルトがマルコを殺してしまった事を悔いる描写があったのは意外だが……アニのようにその後の行動に迷いが出た訳でもなく、やはり彼は心の底の部分では冷徹なのだと思われる。

*1:実際には彼は成長するタイプの主人公なのだが、物語がここまで進んでもそれが一欠片も感じられないとなれば、途中脱落する人間がいても不思議ではないし、そこを責めるべきではない。