あらすじ
15番島での作戦は失敗に終わった――だが、クトリ達は生きて戻ってきた。その事が、ヴィレムの心に大きな変化をもたらしつつあった――。
感想
フィラコルリビアはビジュアルも相まって中々に存在感の強いキャラクターだった。もしヴィレムが俗に言うケモナー属性の持ち主だったら危ないところだっただろう(?)。
――という冗談はさておき、ヴィレムがクトリ達(というか特にクトリ個人)への想いから再び生きることを真剣に考え始めた、というのは福音ではなくむしろ悲劇への伏線である、という所がやるせない。
彼等がいくら足掻こうが、ライムスキンのような良き理解者が近くにいようが、妖精兵の末路は変わらない。近い未来に待ち受ける悲劇が、少し先延ばしになるだけだ。そしてこの物語は、どうやらその未来を変えるための戦いを描くものではないらしい。
クトリの「恋してるから」も、彼女達の向かう道行きの険しさを助長する演出のように感じてしまい、なんとも辛い。
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