たこわさ

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進撃の巨人 Season 2 第31話「戦士」感想

進撃の軌跡(CD+Blu-ray)
今回の満足度:5点(5点満点中)
(以下ネタバレ)

あらすじ

古城での戦いは終わり夜が明けた。ユミルが巨人だったという事実に衝撃を受ける調査兵団だったが、ハンジは冷静であり、まずはユミルの回復を待って彼女が持つ情報を得ようと考えていた。ユミルを必死に弁護するクリスタの事も真摯に宥め、ユミルとの友好的な関係を崩したくはない、と明言する。
ユミルの事もあるが、まずは壁の破損箇所という最優先事項に対応しなければならない――そう考えた調査兵団の面々だったが、壁の調査をしていた駐屯兵団から使いとしてハンネスが寄越され、更なる衝撃の事実を告げる。「壁はどこも破壊されていない」と。
狐につままれたような状況が続く中、ライナーはある決意を固めつつあった。突然エレンを呼び止めた彼は、衝撃の告白を――。

感想

ライナーの告白シーンは、原作でも「何のもののついで」のような描かれ方をしており、そのシュールさに思わず失笑する読者が続出したものだったが、アニメでもそのシュールさ――そしてそのシュールさの影に潜むライナーの狂気をよく表していて、本当にこのアニメのスタッフは優秀だな、と感心。

ベルトルトの様子を見ても分かるように、あの時のライナーは半ば正気を失っている状態だ。その一因は、今回彼が自身の口から語ったとおり、「殲滅しようとしていた『壁の中の人類』とあまりにも長く過ごし、心を通じあわせてしまったため」だろう。
エレン達がライナーを心の底から信頼していたことは、今までの物語からも明白であり、恐らくライナーの「兄貴分」としての言動には嘘はなかった。彼が他人を救う為に危険を犯したその行為は、真実彼の勇気や思いやりに由来していたはず。
だがそれは、いずれ殺さなければならない対象と心を通わす事もである。アニやベルトルトが、その優秀さとは裏腹に仲間達と打ち解けようとしなかったのは、それを恐れたからでもあるだろう――あるいは、はじめから心を通わす対等の存在だとは考えていなかったか。

以前から私は、本作を「シリアスギャグ」作品であると評している。これは、漫画「バクマン。」において定義された「シリアスな笑い」から借りた表現だが、「シリアスギャグ」の要点は「登場人物たちはいたって真剣なのに、読者視点ではシュールなギャグに感じてしまう」という所だ。
今回のライナーの告白は、タイミングやシチュエーションからすると何ともギャグっぽい雰囲気になってしまっているが、その裏ではライナーの狂気や理性の限界も描かれている。実に本作らしい、狂気を纏った「シリアスギャグ」だと感じた。