たこわさ

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正解するカド 第五話「ナノカ」感想

第1話 ヤハクィザシュニナ
今回の満足度:5点(5点満点中)
(以下ネタバレ)

あらすじ

ヤハクィザシュニナから提供された、異方の物体「ワム」。無限とも言える電力源となる「ワム」を巡り、国連安保理は日本政府に対しての、全ての「ワム」の即時提出要求を異例の速さで決議する。
もし国連安保理へ「ワム」を提出すれば、「ワム」は一部大国の下でのみ管理されることになり、ヤハクィザシュニナが求めた「パンを分け合う」という要求からはかけ離れてしまう。日本政府としてもとても従えるような決議ではなかったが、その決議には「あらゆる手段を辞さない」という文言が加えられていた。つまり、日本政府が要求をはねのければ、経済制裁や個人も含む資産凍結のみではなく、軍事侵攻させもあり得る。
苦悩する日本政府に対し、ヤハクィザシュニナは「解決策を提示する準備がある」と真道に明かす。その解決策の準備の為に、真道は品輪博士と共に「ワム」についてのある解析を進め、一方ヤハクィザシュニナ自身は、犬束総理と会談しその「解決策」を提示するのだが――。

感想

「ワム」の本質は物体ではなく「形」という事で、まさかの「個人レベルで制作できる」展開に。これは予想外。
無尽蔵のエネルギー源を誰でも入手できるとあれば、最早国家間・民族間のエネルギー問題、ひいては貧富の差も解消に向かうはずだが……対立に満ちているこの世界では、たとえエネルギー上の不公平が無くなったとしても、争い自体は収束には向かわない。
思想・民族・宗教・感情・文化、様々な理由で対立し、互いに矛を収めるつもりのない勢力が溢れるこの地球で、誰でも手に入れられる無尽蔵の電力源の出現が示すものは……恐らく更なる混沌だろう。
もちろん、いくつかの争いは終結に向かうはずだが、それ以上の混迷が世界を待っているのは自明の理。それを分かっていながらこの「解決策」を実行に移した犬束総理は、かなりのタフマンと言える。

また、前回既に示されていたが、無尽蔵のエネルギー源を誰も彼もが勝手に使い始めたら、地球の温暖化は一気に加速してしまう。異方から一方的にエネルギーが供給され続けるのならば、それは地球だけではなく宇宙全体の問題にもなり得る。
人類的に見ても全宇宙規模的に見ても、まだまだ問題は山積しているのだが……この物語がどのような「正解」を導こうとしているのか、今後も注視したい。