あらすじ
間野山彫刻を観光資源として活用しようとした由乃達だったが、あまりにも悪ノリし過ぎた企画を立ててしまい、彫刻師の一志や商店会会長から叱咤されてしまう。
深く反省し、改めて間野山彫刻の事を学びなおし、伝統を重んじた上で新しい企画を立てようと奮起する由乃達。だが、一志に「都会から逃げてきた」と痛いところを突かれた早苗は自信を喪失し、すっかりやる気をなくしてしまう。
仕方なしに由乃達だけで新しい企画を練り直すのだが――。
感想
由乃がきちんと反省し、なにが悪かったのか、どこを直せばいいのかを考えられるのが少々意外。元々地頭はいいという事なのか。
前回も書いたが、伝統芸能――特に国や自治体に保護されているものは、奇をてらったりせずに現状を維持することが最大の使命となる。しかし、ただ維持しようとだけ考えていると、今回描かれたように先細りになり、伝統を受け継ぐ人自体が減っていってしまいがち。
だから今回、由乃達が伝統を守った上で見せ方を変える、という手段を取ったことは、実に地に足の着いた解決策だったのではないかと思う。そして、一志のように頑なに伝統を守ろうとしてくれる職人がいるからこそ、辰男のようにある程度柔軟にアレンジしようと考える人間も引き立つ。
駅舎への欄間の設置については……JRでも私鉄でも、構内を大胆に使った企画というのは中々通らない事例を結構知っているので、一体誰が政治力を働かしたのだろう? と勘ぐってしまった(笑)。まあ、鄙びた駅ならではの身軽さ、というのがあったのだろうと好意的解釈しておくが。*1
早苗に関しては、知識も実力もあるが、運に恵まれていなかった、というのが実際のところか。
それにしても、普段のバリバリメイクの早苗もいいが、すっぴん+ジャージ+ホットパンツの早苗はもっといい。おい辰男ちょっとそこ変われ、等と思ってしまったのは秘密にしておきたい。
*1:実際、田舎の駅によっては駅長や地元自治体にかなりの裁量が許されている場合もあるらしい。