- 作者: 末次由紀
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2017/03/24
- メディア: Kindle版
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(以下ネタバレ)
千早達にとって最後の全国大会が終わり、かるた部三年はそれぞれ一度かるたから距離を取ることに。しかし、クイーンを目指す千早は学業とかるたの両立を諦めておらず、更には成績不振もあり一度はかるたを止めたはずの太一も今度こそは「自分のための」かるたを始め……というのが本巻の骨子。
そこに更に、「(初めての)かるたプロになる」と決意を固めた詩暢の葛藤やら名人のナイスアシストやら須藤やらが絡んできて……。正しい意味での群像劇としての本作が戻ってきたな、という印象。
太一と千早の仲は、以前と同じものには決して戻らないけれども、より「かるた」を通じた仲に近付いていくのではないかな、という感じ。太一は以前のように「縁の下の力持ち」ではなく、もっと分かりやすい形で千早を支える事(ひいてはライバルとなること)を決めたのかな? 何かを諦めたことでかえって自由になった印象。
詩暢はようやく人間らしい葛藤を迎える時期に来てしまったようですが……千早と周防名人という二大お人好しのお陰であっさり復調出来た模様(笑)。というか名人、何気に尽くす男……? 千早の後押しがあったとは言え、京都まで駆けつけるとか中々のナイト振り(ただし詩暢は塩対応)。
太一闇落ちからドタバタした部分もあった本作も、きちんと復調してくれた印象。恐らくもう最終章に入ったところでしょうが、完結まではまだしばらくかかりそうですね。