あらすじ
マクギリスによるギャラルホルン内でのクーデターが実行に移された。ギャラルホルン本部を制圧したマクギリスは、遂に彼の目的である伝説の機体ガンダム・バエルの前に立つ。だがそこへ、マクギリスの動きを警戒していたヴィダールが現れる。仮面取り去ったヴィダール――ガエリオは、マクギリスの真意を問い始めるが――。
感想
ガエリオが完全に主人公、マクギリスが悪役、な構図だった。
本当の力を発揮したガンダム・ヴィダールの超絶戦闘作画もあり、今までの鬱憤を晴らしてくれるかのようなエピソードになったが、色々と釈然としない点もあった。
ガンダム・バエルは、マクギリスの台詞やヴィダールのシステムから察するに、おそらくギャラルホルンの創始者たるアグニカ・カイエル自身がシステムに「移植」されているのだと思われる。「権威」として考えればこれ以上ない代物だろうし、ただのモビルスーツ以上の性能を秘めている(例えば指揮官機として他のガンダムフレームを制御できるとか)のかもしれない。ただ、それだけではただのシンボルであり戦力でしかないので、もう少し何かがあるのではないかと思われる。
最初は、ギャラルホルンの掲げる「法」の根幹をなす部分に、ガンダム・バエルを駆る者がギャラルホルンのトップである事を規定するような文言でもあるのかとも思ったが……どうにもそれだけでは弱い――敵対するギャラルホルンの勢力が素直に従う要素にはなりえないように感じられた。この点は、次回以降で種明かしされるのを待つ必要があるかもしれない。
ガエリオが正体を明かし、マクギリスが今まで行った非道を白日のもとに晒せば、少なからずマクギリスに味方する陣営にも影響が出てくるはずだが、当のマクギリスはあまりにも余裕綽々。どんな隠し玉が出てくるのやら……。
今の流れだと、マクギリスは自身が絶対秩序のシンボルとして君臨するのが目的なようにも見えるが、そうなるとクーデリアを重視している事と少々矛盾するので、もしかすると自分も含めてギャラルホルンの「権威」を徹底的に破壊して、秩序維持のシステムとして作り直し、政治はクーデリア達のような志ある人々にバトンタッチさせよう、というのが真の目的なのでは? とも勘繰ってしまう。
また、冒頭で「主人公」と表現したガエリオだが、ある意味彼の動機はマクギリスという憧れに裏切られた事への復讐でしかなく、マクギリスにも勝るとも劣らない非道を行ってきたラスタルに与する事は、かつて彼の信じてきた正義とも異なり、アインの歪んだ正義感に入れ込んでいた時の彼から成長のあとが見られないように思えた。というか、軍法会議にかけられたら即刻死刑になるようなイオクという真性のバカを庇い立てしている時点で、ラスタル側にも「義」があるとは思えないのだが(笑)。
ただ、去り際に三日月に対し、阿頼耶識の事で馬鹿にした過去を謝罪した件から察するに、ガエリオ自身も自分のある種の矛盾を認識しているのではないか、とも思える。本当に真意を隠しているのは、実はガエリオではないのか……というのは流石に穿ち過ぎか。
しかし、マクギリスの過去は一部で予想されていた通りの悲惨なものであり、ドン引きしてしまった。夕方アニメの限界に挑まなくとも、もう少し婉曲的な表現で済ませればいいものを……(苦笑)。
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