今回の満足度:5点(5点満点中)
※原作ゲーム未プレイ
(以下ネタバレ)
あらすじ
養父ブラドの仇であるコナン皇子を追い詰めたロゼだったが、そこへスレイが現れロゼの凶行を止めようとする。スレイの静止も聞かずコナン皇子に刃を振り下ろすロゼ。だが、危険薬物で痛みを感じなくなり、更には穢れに塗れすぎた為に憑魔と化していたコナン皇子は、致命傷を受けても死なず――。
感想
第二期になってから展開の遅さにヤキモキする部分もあったが、ここまでロゼ、そしてスレイの内面を丁寧に描いてくれるのならば、その展開の遅さは必要なものだったのだな、と納得した。そんなエピソードだった。
自らの為でなく誰かの為の必要悪――即ちある種の「正義」こそが、ロゼが穢れない理由だった。目の前の正義を為すことが、少しずつでも遠い理想への積み重ねになる、と心の何処かで信じていた彼女にとって、根本を変えなければ世界は救えないというスレイの語る「真実」は、何よりも残酷なものだったのではないだろうか。
もちろん、彼女のやって来たことは全くの無駄ではなかっただろう。それでもスレイが頑なに「人殺しはいけない」と主張したその理由の一つは、ロゼが壊れ始めていた事実からも明白であろう。正義の為に殺人を犯すという事は、自分自身の心を殺す事でもある。例え、コナン皇子に対する私怨混じりの殺人行為がなかったとしても、ロゼが近い将来破綻したであろう事は、想像に難くない。
そんなロゼの葛藤から、スレイは穢れ、そして世界に対する一つの答えを得たようだ。ロゼの心に寄り添い、暗殺家業の「正義」に理解を示しながらも、「否」を突きつけた彼が描く世界は一体どんなものなのか……次回以降は展開が早くなるかもしれない。
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