たこわさ

はてなダイアリーから移ってきました。暫くの間、レイアウトの乱れやリンク切れ等あると思いますが、ご容赦を。

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ #41「人として当たり前の」感想

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今回の満足度:1点(5点満点中)
(以下ネタバレ)

あらすじ

家族を守る為、名瀬とアミダは死んだ。二人の遺体も回収出来ず、また今回の件について裏で糸を引いていたであろうジャスレイに対して報復することも出来ず、鉄華団の面々には苦い思いだけが残ってしまった。そんな中でも、ラフタ達遺されたタービンズの女達は、マクマードの後ろ盾を受け、名瀬とアミダの志を継ぐべく動き出すのだが――。

感想

本作には今までも悲しい犠牲はあったが、それらはある種の自業自得――「手を伸ばした」が故に抱えたリスクが自分達に返ってきたケースが多く、また、死んでいった者達の犠牲の数だけ鉄華団は一歩も二歩も進んできた訳であり、悲しいは悲しいがそれは後ろ向きなだけではなかった。

しかし、自信過剰な二大馬鹿のせいで名瀬とアミダという兄貴分・姉貴分を失ったばかりか、彼らの志を誰よりも強く受け継ごうとしていたラフタまでもが、戦場とも全然関係のない場所で、ただの「生贄」として殺されたこの一連の展開はただ「失う」だけのものであり、怒りを通り越して喪失感しか感じず、今後どのように痛快な手段でジャスレイとイオクが「報い」を受けたとしても救われない、虚無感だけが残るような展開でしか無い。

制作陣は、悲劇を演じればそれだけその後の「復讐劇」が盛り上がり、視聴者が喜ぶとでも思っているのだろうか? まるでシリーズ末期の「必殺」シリーズにおける、虚無感しか残らぬ脚本そのものではないだろうか? もしくは場末のヤクザ映画の安っぽい悲劇の演出か……。

これでまだ、イオクかジャスレイ、どちらかにラスタル並の大物感があればよかったのだが、彼らは権力や武力はあるがその頭は見事なまでに空っぽであり、自意識過剰な「自意識のモンスター」でしかない。ラスタルの苦言に心底不思議そうな表情を浮かべるイオクの姿や、打算や力だけで成り上がったわけではないマクマードのカリスマ性を全く理解できていないジャスレイの姿からは、ただただ「無能な働き者」という印象しか受けず、「敵役」としては力不足に過ぎる。
私の中では、ジャスレイとイオクが「銀河英雄伝説」のトリューニヒトに匹敵する、ヘイトをぶつけるにも値しない、怒りの矛先にもなりえない不愉快なだけの敵役として固まりつつある。

まだ本作を嫌いになったわけではないが、ここ一連の脚本の雑さは全く支持できない。「信者」にはなりたくない。もしかするとそれこそが制作陣の狙いだったのかもしれないが……視聴者の心に救われなさを残すだけの作品に価値はない。そういった意味で本作は、既に3割型失敗してしまっていると言える。