あらすじ
十月機関の長、その正体は漂流者・安倍晴明だった。晴明は信長や豊久の「もののふ」としての気性を危険視し、彼らの真意を確かめようとするが――。
感想
公式サイトのあらすじでネタバレを食らっていなければ、前回の引きの時に「え、晴明だったのか!?」と驚けたものを……(苦笑)
武士という存在が生まれたのは、晴明の生きていた時代よりもかなり先の平安後期。武士道という考え方ともなれば、更に時代を経る必要がある。晴明が警戒心を抱くのはやむなしといったところか。まあ、信長と島津という武士の中でもとびきり過激な連中と出会ってしまった事も大きいのだろうが。
平安末期の、武士道の原型が出来上がった時代の与一が、武人としての誇りにこだわっているというのはある種の皮肉にも見えた。その理由が、奇しくも因縁の相手である義経の口から明かされる件は実に秀逸。超然としているように見えて、与一はまだ若武者も若武者という事か。