たこわさ

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舟を編む 第四話「漸進」感想

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今回の満足度:5点(5点満点中)
(以下ネタバレ)

あらすじ

トイレで偶然に「会社は大渡海の制作中止を決めようとしている」という噂話を聞いてしまった西岡は、急ぎ辞書編集部の面々を招集し対策を話し合う。その話し合いの中、西岡は学者達に前倒しで執筆依頼を出し大渡海の名を業界に広める事で、上層部が中止を言い出しにくい空気を作るという奇策を思い付く。
西岡の狙いは見事に的中し、業界には少しずつ大渡海の名が広がりつつあった。しかし、上層部を出し抜く形での強引なこの作戦は、当然彼らの不興を買うことになる。西岡にも何らかの処分がくだる可能性もあったが、馬締達との辞書作りの仕事に西岡は段々とやりがいを感じるようにもなっていた――。

感想

西岡が予想以上に有能すぎて、私の中で彼の株がストップ高。しかしながら、作中でも言及されていたように、あからさまに上層部に逆らうような作戦の音頭を取った西岡が、このままただで済むとも思えない。
実際、老舗の企業の場合、「優秀な反逆者」は不採算部門へ回されてその立て直しを強いられるか、表面上は「栄転」なのだがその実、本人が望む業務から遠ざけられるという懲罰的人事が平然として行われている例は枚挙に暇がない。西岡にも何らかの処分がくだってしまうのではないかと考えると、何とも暗澹たる気持ちになってくる。

馬締と香具矢の恋愛模様については、正直、香具矢が馬締に惚れる要素が少ないのでいまいちピンとこないのだが、タケさんのあの様子を見るに「脈あり」な模様。何気に馬締がメガネを取ると美形というアピールもあったので、流れとしてはそこまで不自然な訳ではないのだが(笑)。

舟を編む (光文社文庫)

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