たこわさ

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ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン 13「たそがれの帝国にて」感想

今回の満足度:5点(5点満点中)
(以下ネタバレ)

あらすじ

敵騎兵部隊に炎の壁を突破され、いよいよ追い込まれてしまった帝国軍。彼我の戦力差はいまだ大きく、正攻法ではとても太刀打ちできない。必死に考えを巡らしたイクタは、ある奇策を思い付く。ここ数日敵将ジャンと対峙し続けた事でイクタが思い付いたその策とは――。

感想

今まで「科学の徒」としての矜持を貫いてきたイクタにしては、少々乱暴に過ぎる「博打」だったが、よくよく考えてみればイクタは常に「自分が敵将ならどう動くか」という思考を重視し、味方にもその言葉をよくかけていた。相手がいてこその戦争という事で、イクタの奇策も決して「科学的じゃない」訳ではない事が窺える。
兵は詭道なり」とはよく言ったものだ。

無事生還したイクタ達を出迎えたシャミーユの振る舞いは、今までの彼女の言動から見てもあまりにも年不相応で、イクタが思わず皮肉ではなく窘めるような事を言ったのも分かろうというもの。彼女は確かに年齢の割に聡いし、一定以上の意志の強さを持っているが、それでもやはりパーソナリティの多くの占めるのは少女のそれ、という事なのだろう。
そしてそんな彼女が、自らが率先して帝国を滅びではない終焉に持ち込もうとしており、そのパートナーとしてイクタを指名した、という事実の重さが辛い。そしてそんな彼女の壮大な野望に付き従う義理のないはずのイクタが、あえて彼女にとって最大の障害となるであろうヤトリの事を持ち出さなかったのは、やはりシャミーユ本人と彼女の理想に対して思う所があるからなのだろう。
度々描かれてきたイクタとヤトリの背中合わせの構図は、まさしく二人が心を通わせ合いながらも決定的に生き方を違える未来を示唆しているのだろう。非常に気になる所で終わってしまったので、二期に期待したい所。*1

*1:とは言え、種田嬢以外のヤトリは聞きたくない気もするので、あまり急いでほしくはないという思いも。