たこわさ

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クロムクロ 第二十六話「侍は振り返らず」感想

今回の満足度:5点(5点満点中)
(以下ネタバレ)

あらすじ

フィドルグの脅威が遠い未来に先延ばしにされた事で、人類は自分達を遥かに超えた能力と寿命を持つ剣之助やゼル、ムエッタ達を危険視し始めていた。その事を肌で感じていた彼らは、ゼルの母星の生き残り達と合流し、エフィドルグとの最終決戦に助太刀する事を決意する。一度は由希奈を「嫁にする」と言った剣之助だったが、断腸の思いで彼女を連れて行かない事を決め、自分の口からそれを告げた。
剣之助から別れを告げられ意気消沈する由希奈だったが、赤城や美夏、そしてソフィーから背中を押され、意地でも剣之助に着いていくことを決める。枢を奪う為に行動を起こすであろう剣之助達に先んじて、由希奈達は研究所のセキュリティを掻い潜りある物を奪おうとするが――。

感想

非常に良い最終回だった。安易なハッピーエンドにせず、かと言って過剰に投げっぱなしでもなく、程よく未来に含みをもたせた、余韻たっぷりの結末が実に心地よい。
剣之介達に対して冷たすぎる世界の対応に一撃食らわし、更には茅原やカルロスの策で剣之介達を名実共に「地球を救った英雄」に仕立て上げ、結果として彼らの後を追い助ける為にプロジェクトが進んだ、という希望ある展開も良かった。人類が恩人達に対し報いぬままで終わる事も危惧していただけに、あの展開は心底嬉しい。
茅原がハウゼンの息子であることが明らかになった件については、「ああ、なるほど」と謎の納得をしてしまった(笑)。親子揃ってサイコパスである。息子の方も最後には役に立ってくれたが……「(ワープした先から)配信する」という台詞には思わずドン引き。やはりただのクレイジーだったようだ。赤城もピエロ振りを発揮してくれたし、三馬鹿のうちで「成長」したのはカルロスだけだったとも言える。

私的にはやはり、裏ヒロイン&主人公として常に活躍してくれたソフィーがお気に入りのキャラクターとなった。19歳の姿も、可憐さを残しつつ大人の女性に近付いた雰囲気が出ていて、キャラクターデザイン氏に惜しみない拍手を贈りたい。
由希奈も後ろ向きなようでいて実はものすごい前向きという、絶妙のさじ加減のヒロイン振りだった。5年後もあまり姿が変わっていなかったところを見るに、やはり彼女も「纏い手」になっていると思われ、今後の人生が少し心配になるが、きっと剣之介と無事に再会し名実ともにパートナーとなってくれることだろう。

……しかし、火星を経由してのスイングバイを利用するという事は、ワープ航法の類ではないという事になるが、ゼルの母星にたどり着くまで一体何年かかるのだろうか……? もしや、ソフィー達も既に「纏い手」になっていて、その長寿命を利用した超長時間星間航行という事か。それはそれでSF的な結末だが、どこか釈然としない気も。

唯一気になったのは、結局由希奈達は誰の子孫だったのか? という点が明らかにされなかったこと。雪姫は死んでいるし、彼女の係累も絶えている。一体誰が血筋を残したのか……謎だ。

クロムクロ OST

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