たこわさ

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ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン 10「ラ・サイア・アルデラミン」感想

今回の満足度:5点(5点満点中)
(以下ネタバレ)

あらすじ

犠牲を払いながらもシナーク族の奇襲を退け、決戦に勝利したイクタ達。しかし、シナークの集落へ歩を進めると先行した友軍が暴走し、焼き討ちや略奪を繰り広げていた。上官を説き伏せ集落へと突入したイクタとヤトリは、兵士達に襲われていたナナク・ダルを既の所で救出し、最悪の事態を防ぐ。
ようやく戦いは終ったに見えたが、まるでタイミングを狙いすましたかのようにアルデラ教の世情査察官が訪れ、サフィーダが裏で行わせていたシナーク族所有の精霊に対する虐待行為について密告を受けたと伝えてくる。しかも、すぐそこには今にも攻めこまんとするアルデラ神軍の姿があった。
あまりの事態の推移の早さに、イクタはようやく一連の戦いがキオカ共和国とアルデラ教によって仕組まれた事だと察する。もはや逡巡している暇のない状況下、イクタはサザルーフとヤトリの協力を得て帝国軍が撤退するまでの時間を稼ぐ殿の部隊を編成、更にはナナクのもとへ赴きシナーク族の協力を仰ごうとする。当然反発するナナクだったが、イクタは彼女に意外な言葉をかけはじめ――。

感想

以前の伏線通り、イクタはナナクとは顔見知りだった――が、まさかあそこまで親しい間柄だとは予想していなかった。今までその事をおくびにも出さなかったのは、もはや個人の感情だけで収められる自体ではなかったから、という事だろう。シナーク族が敗北した後ならば、もしかするとナナクだけならばイクタの言葉に耳を貸したかもしれないが、シナーク全体がそうとは限らない。だからこそ、イクタはシナークの風習に沿って三度も指を詰める必要があった。その覚悟の重さに、私的イッくん株がストップ高である……シナーク族はジャパニーズヤクザだったのか!? 等と揶揄する声が出ていない事を祈る(苦笑)。
マシューの熱い発言も実に良かった。彼は決して超優秀ではないが、凡人でもない、普通に優秀な人間の代表といったところか。

キオカに加えてアルデラ教まで出張ってきた……という展開は盛り上がるのだが、いまいちアルデラ教が「教国」的な存在である事を認識していなかったので、少々戸惑ってしまった。大陸においてどんな存在でどれだけの勢力を誇っているのかも、今回の台詞だけで判断するしかなく、余計に。第一話から見返すと、恐らくは見逃していた伏線や説明台詞があるのだろうが。

キオカからの客将たるジャンは、まさにイクタとは表と裏のような人物だが……その知略は勝るとも劣らない模様。むしろ、経験が多いだけあちらの方が有利にも思える。イクタがどう戦うのか……残り二話程度だろうが、なんとも盛り上がってきた。

すっかり空気状態の皇女殿下に見せ場があるのかもどうかも注目。

しかし、これでようやく、原作の表紙でイクタの指が欠損している理由がわかってすっきりした(ネタバレなのでリンクは張らない)。