たこわさ

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ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン 09「ささやかな面目の行方」感想

今回の満足度:5点(5点満点中)
(以下ネタバレ)

あらすじ

遂に最前線へとやって来てしまったイクタ達は、サザルーフの指揮下に入る事になった。サザルーフはイクタ達にシナーク族の村を焼き討ちし、住民達を難民キャンプに移すという非人道的な作戦を命じる。非戦闘員に対するあまりの仕打ちに眉をひそめるスーヤだったが、イクタはそんな彼女にサザルーフはむしろ住民達の命を救ったのだと諭す。実は、サフィーダ中将の元々の指令は住民ごと集落を焼き払うものであり、サザルーフが機転を利かせた事により住民達は事なきを得ていたのだった。
しかし、裏にどんな事情が有ろうとシナーク族達から見ればイクタ達は村を焼いたただの難き敵でしかない。シナーク族の少年の一人がイクタに石を投げつけ掴みかかってくる。かるくいなしたイクタだったが、運悪く少年が鼻血を出してしまう。イクタに非はないがシナーク族の怒りに火をつけるには十分であり、一触即発の気配が強くなったその時、デインクーンがイクタを殴りつけ――。

感想

ヤトリとナナク・ダルの剣戟は実に見事だった。が、私的にはやはり戦士マシューへの敬礼シーンがツボだった(笑)。

デインクーンがイクタを殴った件については、客観的に見ればスーヤの言った通り理不尽極まりない構図なのだが、当のイクタがそれを「良し」としているのだから、何とも複雑な想いを抱いてしまう。イクタにとっての「面目」とは、望まぬ結果をもたらさない事であり彼自身の評価は関係ない、という事なのだろうが、それはある種の自己犠牲でもあり。イクタの行く道は効率的という名のいばらの道なのかもしれない。

そして死亡フラグをすぐに回収してくるのが本作の特徴、と言わんばかりのデインクーンの戦死。シナークの本拠の焼き討ちも、裏で糸を引いている「謎の勢力」仕業であるかもしれず、帝国はやられる一方。指揮官ならぬイクタには、戦略レベルで事を動かす力はまだない訳で、この混迷する事態に存在感を出す事は出来るのか……?