たこわさ

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Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ ドライ! 第九話「イリヤの選択」感想

今回の満足度:4点(5点満点中)
(以下ネタバレ)

あらすじ

アンジェリカの口から語られる、彼女達の世界の真実。マナの枯渇と謎の有毒物質の発生により滅びゆく全ての生命。それら全てを救う為に聖杯たる美遊の命が必要であり、その犠牲は必然なのだというアンジェリカの言葉に、イリヤは茫然自失となってしまう。
だが、イリヤを助けに駆け付けたクロは、きっぱりと「世界よりも美遊を選ぶ」と言い切り、アンジェリカの言葉を否定する。だが、イリヤの心はまだ揺れていて――。

感想

ヘタレ故の逡巡ではなく、実に主人公らしい真っ直ぐな「強欲」振りを見せてくれたイリヤは、何とも頼もしく成長したものだと思う。一方で、クロの言葉の重みもまたひしひしと感じてしまう。イリヤこそがまさしく「たった一人の為に世界の救済を諦めた」結果に生かされた命であり、クロは「世界の為に消費されるはずだった」命である。ある意味、美遊とほぼ同じ境遇にあった二人だからこそ、その決断に意味があり重みがある。

しかし、マナの枯渇と惑星自体が発生させる現行生物全てを殺す毒素……というと、奈須きのこ氏の初期作品にしてTYPE-MOON作品のいくつかの世界がいずれ辿る滅びの未来を描いた某作を思い出させる……というか、むしろその世界観を取り込んだネタ、という事なのだろう。「氷室の天地」もそうだが、Fate関連のスピンオフ・スピンアウト作品は本当に原作愛に溢れていて、所謂「型月厨」である私としては嬉しいような悔しいような。