たこわさ

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キズナイーバー 第10話「好きな気持ちがむくわれないかもなんて、重々承知の上だろ?」感想

今回の満足度:5点(5点満点中)
(以下ネタバレ)

あらすじ

互いの心の声が聞こえてしまうという現象が起こって以来、勝平達はそれぞれ距離を置くようになってしまい、やがて夏休みも終わってしまった。キズナシステムから解放された彼らだったがその心は全く晴れず、しこりを残したままだった。
唯一、日染だけは何故か勝平の傍に居たが、学校が始まるとそこに仁子も加わり「このまま他のメンバーと疎遠になりたくない」と胸の内を明かす。そんな中、勝平の胸に残された過去のキズナ実験の痕が激しい痛みと共にうずき出した。痛みを感じないはずの勝平が苦しむほどの痛み、その元が園崎にあると考えた勝平達三人は、彼女の姿を探し始めるが、その事がやがて、彼らを過去のキズナ実験の顛末、その事実へと導く事に――。

感想

山田の外道振りは加速する一方だが、彼がああなってしまったのはやはり過去のキズナ実験の「結果」を受けての事なのかもしれない。
過去のキズナ実験がどのような結末を迎えたのかについては、既にある程度の手掛かりが示されていたので驚きこそ無かったが、文字通りの廃人となってしまった勝平と園崎のかつての「仲間」達の姿、そしてそれを目撃した勝平が初めて見せる激しい感情――号泣する姿に何とも言えぬ痛ましさを感じてしまった。
園崎の体に隠された秘密が勝平とは正反対のもの、という事が判明したが、とするとやはり、彼女が時折見せる逡巡のような仕草は、薬で麻痺させられた感情――心の痛みが声なき悲鳴を上げていた事を示していたようだ。人によってはここで彼女への好感度が急上昇するのだろうが、彼女自身の言葉を信じれば、彼女は痛みも苦しみも全て理解した上でキズナ実験を勝平達に押し付けた事になる。その真意が明かされる時までは、私的には評価を保留としたい。

仁子については……今回も文句なしに「いい娘」だった。未だ恋愛感情を抱ている訳ではないだろうが、天河が彼女の気持ちに応えられない事をもどかしく――苦しく想う事は無理からぬものだろう。この二人は普通にくっついてほしい、等と思ってしまう。
反面、千鳥は一部視聴者からは反感を買いそうに見えるが……彼女が勝平を元に戻したくて尽くした数年間やそもそも抱いていた恋心を思えば、一朝一夕で心の整理を付けろという方が無理な話だろう。また、天河への厳しい言葉も、「優しい天河ならば自分の為と言いつつ、内実では他人の為にあえて自分勝手を演じるのでは」という天河への過大評価に基づいている訳で、非難されるものではないだろう。つまりは、彼女も心底「お人好し」なのだ。何らかの形で救われてほしいものだが……。
今回殆ど出番の無かった由多と穂乃香については……由多の再びの頑張りに期待したい。