たこわさ

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双星の陰陽師 第九話「交錯する悲劇 TRAGEDY COMES WITH SMILE」感想

今回の満足度:2点(5点満点中)

原作既読。
(以下ネタバレ)

あらすじ

雛月寮の子供達を殺したのはろくろ――清弦の語る衝撃の真実を前に驚愕する紅緒。「では、兄を殺したのもろくろなのか?」、怒りに震えながらろくろに質問をぶつける紅緒だったが、その時意外な人物が姿を現し――。

感想

動きが多かったせいもあるのか、持ち直したと思われた作画が再び崩壊。特に、暴走したろくろが突っ込む→弾き返される、が繰り返されるくだりは一体何のギャグだろうか? と言った体たらくで脱力。
脚本についても、今回も原作からの改悪が著しい。原作では、悠斗があのタイミングで姿を現したのは「ある強敵」との戦いでろくろも紅緒も、清弦までも消耗していたからという打算があった節があり、また圧倒的優位にあるはずの悠斗がろくろ達を見逃がす事にもきちんと理由があった。その辺りのニュアンスを読み取らずに適当に脚本をいじくり回した結果、悠斗というキャラクターの持つ二面性――超然としていて他人を見下しているように見えて、実は油断なく計算高い――が全く表現できておらず、薄っぺらくなってしまている。
ケガレ堕ちの件についても、「実例」を紅緒が目にし、ある人物が犠牲になった後だからこそ「雛月の悲劇」の真相を衝撃を持って受け止められるという展開だったのに、丸ごとそのエピソードをカットしてしまったせいで、最後の紅緒の土下座の意味さえ少々原作とは違ったものになってしまっている。
ろくろが怒りだけを糧に腕の力を解放するという点も酷い改悪。原作では、ろくろが大切な人の危機を目に前にして最後の力を振り絞ったからこそ成功させたという描写なのに、怒りで暴走した結果だとか、アニメスタッフはどこまで閻魔堂ろくろという「王道」な少年漫画的主人公を矮小化すれば気が済むのだろうか? 原作の表面だけをなぞって理解したつもりになっているのだろうか?

原作を全く知らない人間ならばネタアニメとして楽しめるかもしれないが、ここまで原作の意図を汲まず表面だけなぞるような脚本は最早不快なレベル。次回はオリジナルエピソードのようだが、十二天将の出番を無理矢理増やさずとも原作の番外エピソードを膨らませれば十分に2クール分以上の尺は稼げるはずなので、もう企画段階の失敗としか思えず。