たこわさ

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コンクリート・レボルティオ〜超人幻想〜THE LAST SONG 第18話「セイタカアワダチソウ」感想

今回の満足度:4点(5点満点中)
(以下ネタバレ)

あらすじ

神化47年、日本の各地では外来種であるセイタカアワダチソウが異常繁殖するという現象が起きていた。だが、実はそれはただのセイタカアワダチソウではなく、突然変異によって人間に眠る超人因子を刺激し「超人病」を引き起こすという性質を備えたとんでもない代物だった。
妻に先立たれ娘を一人育てるサラリーマン・若村は、ある日脱走した犯罪超人の起こしたバスジャック事件に巻き込まれた事がきっかけとなり、セイタカアワダチソウの影響を受けていた超人因子が目覚め超人の力を得てしまう。その力を使って超人「ニンゲンマン」として人々の役に立つ活動を行う若村。悪の超人の誘いも断るその姿勢に感銘を受ける爾朗だったが、若村の心にあるのは実は正義の心ではなく――。

感想

恋愛脳を地で行く輝子が、実は爾朗が一目置くほどの「大人」になっていたというのは、嬉しいような寂しいような。清濁併せ呑む、芳村を真似たような思想を持つにいたった輝子だが、しかし彼女が渇望するのは爾朗が目指す「正義の味方」であるという、ある種の皮肉――もしくは夢物語と吐き捨てずに理想を捨てないその本心が、実は爾朗にとってもある種の原動力になっているのではないか、と感じた。輝子が心のどこかに理想を捨てずに持っている限り、爾朗は何があっても戦い続けられるのかもしれない。
結末については、突如現れたカムペがデウス・エクス・マキナを地で行くかのように全てを持っていってしまい有耶無耶になってしまった感もある。あそこまで公権力に逆らってしまった若村が何のお咎めも無く日常生活に戻れていることには少々違和感を覚えるが……「細かい事はいいんだよ」という事かも知れない。重要なのは、娘が自分を頼りに思っていた事を知り、「超人」というくびきから若村が解放され、普通の父親に戻れたのだ、という所なのだろう。
しかし、アースちゃんにしろカムペにしろ、量産型クロード仮面(仮称)といい、相変わらず容赦のない伏線回収をしてくれる。この「無駄な描写が一つも無くすべて伏線かその回収」感こそが、本作の魅力だと言わんばかり。実際、そういった情報量の多さが好きで本作を観ている人間が少なくともここに一人いるわけだが。