たこわさ

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甲鉄城のカバネリ 第三話「捧げる祈り」感想

今回の満足度:5点(5点満点中)
(以下ネタバレ)

あらすじ

無名と同じ、人とカバネの狭間の存在である「カバネリ」となった生駒。だが、甲鉄城の人々は彼らをカバネの同類であると恐怖し追い出そうとする。生駒もカバネ同然の体となった自分は甲鉄城に留まるべきではないと主張するが、菖蒲のとりなしと無名の提案により最後尾の車両に閉じこもる事を条件に甲鉄城に残る事に。
しかし、カバネの気配を感じた無名は約束を違えて車両から出てしまう。その事が反感を呼び一部の人々は彼女らを排斥しようと密かに動き始めるが――。

感想

作画の綺麗さを保ちつつも、シーンによってキャラクターの顔が違い過ぎるケースがいくつか見受けられ、「綺麗な作画崩壊」という謎の言葉が頭を駆け巡ってしまった。
無名の口下手さから余計なトラブルが増えているという前回受けた印象はどうやら正しかったようで、彼女がきちんとカバネリというのがどういう存在なのか、菖蒲の父に呼ばれた理由は何だったのか、等をきちんと語っていれば余計な不和を生まずに済んでいるのに、と感じずにはいられない場面が多かった。逆に、生駒と菖蒲という異様に聡い人間がいなければ、もっと悲惨な事になっていただろう。
もっとも、菖蒲の聡明な部分はある種の世間知らず――お嬢様育ちに由来している部分も多く、その事が最終的に血を求めて暴走していると思われる生駒に襲われる、という結果をもたらす事になってしまった。自分の気遣いや立ち振る舞いが逆に悪い結果に繋がってしまった事で、リーダーとしての自覚を得つつあった菖蒲がまた後退してしまう事になりそうだ。*1
生駒の妹のエピソードについては、もう少し引っ張るか、もしくは何らかの秘密が隠されているのかとも思っていたが、単純に生駒の真っ直ぐさや自己犠牲精神の礎となっているだけなのが意外と言えば意外だった。ただ、単純であればあるほど逆に生駒の心に重くのしかかる過去であるという事でもあり、それを端的に表した無名の「よくある事」という言葉が何ともやるせない気持ちにさせる。
無名については口下手さや自己完結な言動ばかりが目立つが、上記の生駒の悔恨に対する思いやりともとれる反応や、自分が始末したカバネが身重の女性だった事を知った時の反応などから、決して人情に疎い訳ではない事が窺え……その生い立ちに自然興味が湧いてくる。

*1:生駒相手にチョロイン振りを発揮しそうになったが、襲われた事で逆に距離が開きそう。