たこわさ

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機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ #25「鉄華団」感想

今回の満足度:5点(5点満点中)
(以下ネタバレ)

あらすじ

三日月が暴走するアインを食い止めている間に、オルガとアトラはクーデリアと蒔苗を連れ、からくも議会へと辿り着く。鉄華団の長い長い「初仕事」は確実に終わりに近づいていた――。

感想

まずまずの最終回。秋には、TVシリーズなのか劇場版なのかは現時点では不明だが、続編らしきものも予定されている事が発表され、今後の展開にも希望を残す形となった。
最後までクランクの真意を誤解したまま散っていったアイン。仇と狙う三日月の方がクランクの心中を理解できていたというのはなんとも皮肉。文字通りのかませ犬としての最期を迎えたが、あまり同情心は湧いてこなかった。
むしろ、可哀想なのはやはりガエリオだろう。火星民に対する蔑視はあれど、彼は徹頭徹尾「善人」だった。しかし、良い人過ぎた事が同時に彼の死の原因でもあったのだろう。マクギリスの言からは、心底ガエリオを「友」と思っていた事が窺える。だが、潔癖すぎる上に歪んだアインの信念をも「高潔」と捉えてしまえるガエリオの真っ直ぐさは、マクギリスにとって利用は出来ても信頼できるものではなかったのだろう。もし、もう少しガエリオが腹芸の出来る人間だったら、もしかするとマクギリスは彼を切り捨てなかったのかもしれない……そんな妄想をしてしまう程度には死が惜しまれるキャラクターだった。*1

三日月とアインの最終決戦については、三日月がアインの言葉から阿頼耶識の「本当の力」に気付いたり、「使いにくい」と称していた長ドス(?)の本当の使い方に気付きそれを決戦武器とした流れが単純明快かつ爽快感に溢れ、実に盛り上がった。アインの暴走振りが気の毒なレベルだったので、三日月の容赦ない「処刑」もむしろ救いに見え。代償として片目の視力と片腕の感覚を失った事については、今後への不吉なフラグにしか見えないが……彼の手となり目となって支えてくれる女性が二人もいるのだから、むしろ羨ましい位だろう(笑)。*2

オルガが最後の最後に「死ぬな」という本音を「命令」として団員達に下した姿は、何ともたまらなかった。そしてそんなオルガの心中を察してくれていた雪之丞のナイスオヤジ振りが何とも痺れる。メリビットは少々心配性が過ぎるきらいがあるが、ビスケットと言う安全装置を失ってしまった鉄華団において、彼女の「おかん」目線は今後も必要になってくるだろう。名瀬という「アニキ」も健在であり、鉄華団はようやくまともな大人達に恵まれるようになった、と言った所か。
ラフタとアジーの無事には心底ほっとさせられた。結局、鉄華団側のメインキャラクターで戦死したのはビスケットだけとなったが、正直、これ以上人死にがあったら見ている方の気が滅入った事請け合いなので、二人やシノを生存させたことは英断だと思う。

さて、クーデリアの理想の実現もマクギリスの野望もまだ道半ば*3であり、鉄華団もまだまだ「初仕事」を終えただけ。まさしく「俺たちの戦いはこれからだ!」なのだが、これだけ綺麗にまとまってしまうと続編はむしろ見たくないとさえ思ってしまう。何ともぜいたくな悩みなのは分かっているのだが。

*1:一瞬、マクギリスが本当はガエリオを殺していなくて、鉄華団に彼の軟禁を依頼する等と言う甘っちょろい展開をも妄想してしまった位にはガエリオを気に入っていた。

*2:……オルガという女房役を含めれば三人だがw

*3:しかしどうしてもマッキーの野望の一つは「ロリ嫁ゲット」だったのではないかと思ってしまう(笑)。