たこわさ

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僕だけがいない街 第十二話「宝物」感想

今回の満足度:5点(5点満点中)
(以下ネタバレ)

あらすじ

今回は感想のみとします。検索などでネタバレ目的で辿り着いた方は、相変わらず公式サイトのあらすじがネタバレ含め綺麗まとまっているので、そちらをご参照あれ。

感想

「最高」とまでは言わないが、実に「良い」最終回だった。
悟が目覚めて以降の展開の駆け足感や八代の掘り下げが少なかった点は残念だったが、それが欠点と映らない程に綺麗にまとまった脚本・構成だった。

悟が最後まで「ヒーロー」を貫いてくれた点には痺れた。作戦の内だったとはいえ、悟が八代に語った想いの内は恐らく真実で、結局彼は八代を「倒す」のではなく「救う」事で勝負に勝って見せた。
自分自身の15年という重すぎる代償を支払ってもなお折れなかった彼の心……それを支えたのはひとえに「自分の大切な存在を誰一人、八代に奪わせない」という目的意識だった。そして彼は、八代――「父」のように慕った人物――をも救う事でそれを成し遂げて見せた。八代でさえ救わなければ自分の「負け」だといわんばかりのその姿勢は、まさしく「ヒーロー」と呼ぶにふさわしいものだろう。

失った15年と釣り合うかどうかは判断付きかねるが、その後の悟は仲間達との日々や、リバイバル前は不調だった漫画家としての成功という「報酬」を手に入れた。しかし、最高の報酬は、やはり彼の人生を変えた少女・愛梨との再会だろう。
二人の今後が一体どうなるのか、作中では明示されなかった*1。だが、恐らく殆どの視聴者は、彼らに明るい未来が待っている事を確信したことだろう。

僕は、信じてた

最後の悟の言葉には、実に色々な意味が込められていると思うが、その一つは間違いなく「愛梨とまた会える事を信じていた」であろう。リバイバル前とはすっかり変わってしまった悟とその周囲の人々の人生。最後の時点で悟が何歳位だったのかは不明だが、愛梨の容姿を見るに2006年よりも更に数年を経ていると思われる。つまり、愛梨との「出会い」が失われてから更に数年が経っている筈だ。しかしそれでも、最後に彼女と別れたあの場所に、「散歩」と称して(恐らくは)何度も通っていたであろう悟の「愛梨に会いたい」という想いが、二人に「再会」をもたらした。
そんな悟の「苔の一念」がただ一度の「出会い」で終わるはずがない。素直にそう感じたし、そう信じたい。*2

*1:原作ではもう少し明るい未来を思わせる描写で終わっていることを確認した。

*2:美里への好感度が最後にストップ高だったので「美里とくっつくと面白そう」とも思ったのは秘密。