うたわれるもの 偽りの仮面 第二十二話「救出」感想

うたわれるもの 偽りの仮面 Blu-ray BOX 下巻

今回の満足度：5点（5点満点中）
（以下ネタバレ）

あらすじ

アンジュ暗殺未遂の疑いでオシュトルは斬首の刑に処せられる事になった。オシュトルの人となりを知る者であれば誰もが彼が真の下手人ではない事は分かり切っていたが、ミカド亡き後のヤマトの行く末を巡り一部の八柱将は自らが実権を握る事を考えており、人望篤くアンジュも信頼を寄せていたオシュトルを追い落とす絶好の機会を逃すはずもなかった。特にヴライは、自らオシュトルを「無用の争いを起こさぬ為に大人しく犠牲になれ」と説き伏せ、事態の主導権を握ろうとしていた。オシュトルもミカドへの忠義厚いヴライならば、と甘んじて刑を受ける事を決意してしまう。
一方、ハク達はオシュトルとアンジュを宮中より救うべく動き始めていた。カルラ達の思わぬ協力もあり無事にオシュトルのもとへ辿り着いたハクとネコネだったが、オシュトルはヴライの言葉通り自分が犠牲になる事で事態を鎮静化しようと考えており、ハク達の言葉にも耳を貸さない。業を煮やしたハクは、処刑執行の時刻が迫る中、自分も牢に残ると言い出し――。

感想

主人公がチャランポランだったお蔭で忘れかけていましたが、本作はあくまでも「うたわれるもの」の続編なんですよね。メイン格のキャラクターであっても時に容赦なく死んでしまう作品の。ここから先は誰が死んでもおかしくないように思えます。
危険を冒して自分を助けに来たハクとネコネの話にも耳を貸さないオシュトルの姿は、一見するとだた融通が利かないだけのようにも見えますが、ああいう一本気な所こそが彼が多くの人に慕われる理由でもあり。長所でもあり短所でもあるという事か。とは言え、ヴライを信用し過ぎている点などみるに、やや短所よりな気もしますが。
見違えるように自主的に動くようになったハクの姿には、彼が本来傍観者ではなく行動し関わる側の人間であるというその本質が窺え、ようやく主人公らしくなってくれた、と言った所か。しかし、ブラフだったとはいえオシュトルと命を共にしようとしたりなど、少々危うい手段も辞さなくなっている様子。親しい人間をこれ以上失いたくないという想いが彼を急き立てているのでしょうか。
クオンにアンジュを託したホノカの様子からは、彼女がただ単に「そう作られたから」以上の想いをアンジュに向けていた事が察せられ、やっぱりミカドはきちんと「本物」を作る事に成功していて気付かなかっただけなんじゃないかな、等と思ってしまったり。

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