2015年も残す所あと僅か。今年も面白かった作品に個人的な「賞」を送りつつ一年を振り返ってみたいと思います。
なお、各クール毎の評価は下記それぞれの記事を参照のこと。
- 2015年冬(1月〜3月)アニメ雑感と評価(★5点満点) - たこわさ
- 2015年春(4月〜6月)アニメ雑感と評価(★5点満点) - たこわさ
- 2015年夏(7月〜9月)アニメ雑感と評価(★5点満点) - たこわさ
- 2015年秋(10月〜12月)アニメ雑感と評価(★5点満点) - たこわさ
優秀作品賞
- Fate/stay night[Unlimited Balde Works]
- 蒼穹のファフナー EXODUS
- ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース
- 監獄学園
- 響け!ユーフォニアム
- シドニアの騎士 第九惑星戦役
- 七つの大罪
各クール毎の評価で満点をつけた作品は他にもあったのですが、手放しに絶賛できたのは上記七作品でした。
特に素晴らしかったのはやはり「Fate/stay night[UBW]」! 作画・演出・音楽・演技が優れていたのはもちろんのこと、原作者とがっぷり四つで作り上げた事である意味「原作を超えた」アニメに仕上がっていたと強く感じました。主人公の癖に旧作アニメなどでは嫌われがちだった士郎を「初めて好きになった」という声がちらほら聞かれたのも印象的。
原作付きといえば、「監獄学園」はとにかく凄かった。原作をあまり好きじゃない私が思わず原作漫画全巻揃えてしまった、と言えばその凄さが少しは伝わるでしょうか? 下ネタなのに有無を言わせず笑わされてしまう勢いは素晴らしいの一言。
しかし気がついてみれば、純粋なオリジナル作品がファフナーだけ(しかも続編)で、他は全て原作付き。オリジナルアニメ作品にも素晴らしいものは多々あったのですが、ストーリー面で一歩足りないと感じるものが多かった印象。一から作品を作ると言うのがどれだけ難しいものか、という事か。そういった意味では、上記には挙げませんでしたが「SHIROBAKO」は実に良く出来た作品だったな、と。
男性キャラクター賞
- アーチャー(Fate/stay night[Unlimited Balde Works])
- 説明不要、我らのこじらせアーチャン! UBWだけ観た人にはその魅力が伝わりづらいんじゃないかと危惧していましたが、全くそんなことはありませんでした。
- 貝塚伊奈帆(ALDNOAH.ZERO)
- 強い意志、信念を曲げない静かに燃える男・スーパーイナホマン。正直、「で、君今何周目なの?」と言いたくなる場面も多々ありましたが、彼の場合その揺ぎ無い強い意志こそが最強の武器であり、そこがスレインとの対比構造にもなっていたので、俗に言う「俺Tueee!」のようには感じず。まあ、視聴者的に全く納得いかないあの結末に対しても普通に受け止めてしまえている達観振りはやり過ぎ、とも思えましたが。
- 伊丹耀司(GATE(ゲート) 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり)
- オタクが自己投影して悦に入る為のキャラ――と言ってしまうにはあまりにも優秀過ぎるこの男に惚れた! 人情家ではあるんだけれども理想家ではなく、必ず現実と言うものが先立っている「大人」な主人公でした。
三人中二人の中の人が同じと言う異常事態(笑)。声優さんで選んでいる訳ではない、という事は明記しておきます。
女性キャラクター賞
- 遠見真矢(蒼穹のファフナーEXODUS)
- 罪と痛みを一身に背負った鉄血のヒロイン。もう少し報われてほしかったですが……後日談まだー?
- 遠坂凜(Fate/stay night[Unlimited Balde Works])
- ツンデレ新世代(?)の先駆けであり絶対領域の真祖(?)な我らが遠坂さん。士郎のストレートな物言いに反応して見せる顔芸の数々が面白可愛くてしかたありませんでしたなー。士郎を幸せにしてやってくれー!
- 今井みどり(SHIROBAKO)
- まだ学生なのに頼りになってガッツがあって
乳も有って愛嬌もあるディーゼルさん。序盤は影が薄かったのに、後半はほぼ最重要人物の一人でしたねw - 櫻田茜(城下町のダンデライオン)
- 恥ずかしがり屋、内弁慶、ハナザーさん、おパンツ(?)と、数え役満ですわー。
次点は「SHIROBAKO」の矢野エリカ。同作は実に魅力的なキャラクターが多かった印象です。もちろん、おいちゃんや、ゴスロリ様*1も魅力的なキャラクターでしたが。最初はずかちゃんが一番好きだったんですが、彼女の場合暗黒期が長すぎて何だか気の毒といった印象の方が強いですw
本当ならば「俺ガイル」のガハマさんこと由比ガ浜由衣も入れたい所だったんですが、彼女関連の描写が謎の改変により原作とはかなり違った趣になってしまっていたので、アニメだけの評価だと「良キャラ」とは言えなくなってしまいました。残念。
ベストOP賞
楽曲と映像のクオリティ・親和性が高いものをピックアップ。
- 「Brave Shine」――Fate/stay night [Unlimited Blade Works]
- 超絶作画もそうなんですが、本編を補完するようなバトルシーンだとか出だしのアーチャーだとか、これからのドラマを感じさせるニクイ演出が秀逸でした。あえてスローテンポの曲を採用したのも○。当初は普通に良OPだな、位の印象だったんですが、回を追うごとに愛着が深くなっていった、味のあるOPでもありました。
- 「DEAD OR ALIVE」――蒼穹のファフナーEXODUS
- 登場人物達と竜宮島の在りし日の姿を描きつつ、今まで以上に凄惨な戦いを予感させる描写を畳みかけるという演出に痺れた! 歌詞やメロディに歴代主題歌・イメージソングのモチーフを多用している点もファン的には感涙要素。
- 「アイデンティティ」――落第騎士の英雄譚
- もうとにかく、酒井ミキオさんの歌のカッコよさが反則! 映像も実によかったんだけれども、とにかく歌が聞きたくて録画観ててもOPが飛ばせませんでした。
上記三作品は、いずれも挿入歌が素晴らしかったという共通点も。そういう所に制作陣の地力が出るのかもしれませんね。
ベストED賞
- 「シュガーソングとビターステップ」――血界戦線
- 説明不要、今年のアニメEDの王者でしょう!
- 「ring your bell」――Fate/stay night [Unlimited Blade Works]
- 映像の美しさも反則級だったのですが、歌の美しさがもう……。梶浦由記さんは本当にグランドフィナーレ向けの楽曲制作能力が高すぎだと思いました。*2
- 「スパイス」――食戟のソーマ
- 裸は激しくどうかと思いましたが、歌と演出が素晴らしかった! 後期ED? なにそれ食べられるんですか?
ベストエピソード賞
- Fate/stay night [Unlimited Blade Works] #20「Unlimited Blade Works」
- 原作では「勢いで突っ走れ!」みたいな話だったのを、まさかの「デチューン」。じっくりと言葉を尽くして士郎の心の内を語りきる、素晴らしい「きのこ節」に仕上がっていました。挿入歌の「LAST STARDUST」は近年まれに見る名曲。
- Fate/stay night [Unlimited Blade Works] #24「無限の剣製」
- Fate UBWから二本目。#20とは逆に、とにかく「勢い重視!」のテンション全開な展開……からの、あまりにも切なすぎる別れのシーンへと続く一連の流れが秀逸。
- SHIROBAKO 第23話「続・ちゃぶだい返し」
- 「少しだけ、夢に近付きました!」に、おいちゃんと一緒に目から何かがえくそだすしてしまいました。断じて監督の波動肉とか昇竜肉で笑ってはいないぞ!
- 七つの大罪 第20話「勇気のまじない」
- ギルサンダー開放回。他のエピソードと比べても作画・演出ともに気合が入っていてスタッフの愛を感じました(笑)。
- アルドノア・ゼロ EP13「眠れる月の少女 —This Side of Paradise—」
- 一変してしまった状況の中でも全くぶれない伊奈帆の姿に痺れました。そして何より戦闘開始時に義眼の虹彩が「ウィィィン」となる所の絶妙な作画・演出が格好いい!
- 蒼穹のファフナー EXODUS 第9話「英雄二人」
- 神の如きマークザインと魔王の如きマークニヒトの超常戦闘能力と、まるでクライマックスかのような大迫力戦闘シーン。そして強力であればあるほど一騎達が命を削っているというその事実に、悲しみと自らの無力さに対する嘆きを隠しきれない真矢の姿。何とも悲しい「爽快な戦闘回」でした。
- 蒼穹のファフナーEXODUS 第19話「生者の誓い」
- 島最大のピンチと仲間の犠牲を前に、皆が一丸となって立ち向かうも後一歩が足りなくて……と言う所に颯爽と「彼」が復活! という。カタルシスを感じたという点では今年最高のエピソードだったかもしれません。
産業廃棄物だったで賞
多過ぎた上に罵詈雑郷の嵐になるので今年は自粛(^^;
最後に
今年のアニメが豊作と不作のどちらだったかと問われると……正直微妙なところです。上記に挙げた作品達はどれも素晴らしく、手放しで褒められるものばかりでしたが、その一方で駄作が多かった印象も強く。特にオリジナルアニメは、鳴り物入りで登場した割りに尻すぼみだったり絵柄だけ小奇麗でストーリーがスカスカだったりと、「当たり」が少なかった年でした。もちろん、原作付きアニメでも、原作とは似ても似つかない作品に成り下がっていたものも多々ありましたが。
アニメを沢山観られたこと自体を喜ぶべきなのかもしれませんが、どうにも業界全体が再び粗製乱造の傾向に陥ろうとしているようにも見受けられ。せっかく海外の公式配信なども充実してきて、「クールジャパン(笑)」などと馬鹿にされない様にする環境も整ってきたのですから、アニメ業界の方々(特に上層の連中)にはもう少し現実を見てもらいたいな、と。テンプレ養殖と変態ポルノも程ほどにしてほしいところ。「落第騎士の英雄譚」のように、本編は凄く面白いのに序盤のテンプレ要素やエロアピールで身構えてしまった例もありましたし。
来年一月からも数多くのアニメが放映開始されます。私も、最近では一番多いのではないかという数の作品をチェック予定ですが、果たしてそれらの中のいくつが「当たり」なのやら。期待と不安を抱きながら、2016年のアニメライフが充実したものである事を記念し、今年のアニメ感想を〆たいと思います。
それではみなさん、来年も良いアニメライフを!