たこわさ

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機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ #12「暗礁」感想


今回の満足度:4点(5点満点中)
(以下ネタバレ)

あらすじ

ブルワーズに「落とし前」を付けさせる為、そしてヒューマン・デブリとして戦わされている昭弘の弟・昌弘を救うため、鉄華団タービンズはブルワーズの待ち受ける暗礁宙域へと歩を進める。地の利を活かして奇襲を仕掛けて来るであろうブルワーズに対し、三日月達に囮になってもらっている間、暗礁地帯を戦艦で潜り抜け逆に敵に奇襲を仕掛けるという大胆な作戦を実行に移したオルガ達だったが――。

感想

上げて落とす――監督氏とシリーズ構成氏の常套手段であり十分に予測していた事ではあるのですが……それでも精神的ダメージは大きかったです。
ヒューマン・デブリとして虐げられた結果、自分を迎えに来た兄の言葉でさえも信じられず、逆に呪詛をまき散らし「希望」を、そして自分が「人間」である事を否定した昌弘。それでも最期の時に、身を挺して兄を庇うという肉親の情に殉じたその事実が、彼の口にした絶望が決して本心ではない事の何よりの裏付けとなっており……。せめて昌弘が「人間」として死んだ事を誇るべきなのかもしれませんが、目の前で弟を失ってしまった昭弘の無力感と絶望の大きさは察して余りあり……彼が暗黒面へ落ちない事を願うばかり。

奇襲成功時のハンマーヘッドの吶喊やらの痛快なアクションシーンも、最後に待ち受ける悲劇の演出道具として用いられていたので、なんともまあ後味の悪いエピソードになった印象。もちろん、途中までは観てて大いに盛り上がったのですが、ブルワーズの少年達が無残な死にざまを晒し始めた辺りから「ああ、やっぱりこっちの展開になるのね」と暗澹たる思いに包まれてしまいました。