たこわさ

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ノラガミ ARAGOTO 第10話「斯く在りし望み」感想

今回の満足度:4点(5点満点中)

(以下ネタバレ)

あらすじ

カピバーランドのトリプルデートの最中、藤崎に唇を奪われてしまったひより。ただでさえ夜ト達の事を思い出せない――何を忘れているのかさえも分からないもどかしい状況にすっかり参ってしまっていた彼女は更に塞ぎこんでしまう。そんな折、雪音が修行の合間に会いに来てくれたお陰で、ひよりは彼岸での出来事の全てを思い出す。「自分は他の人間達と違って夜ト達の事を忘れない」という自信が何の根拠もないことを思い知ったひよりは、夜トが一ヶ月も行方をくらましているという話を聞き、いてもたってもいられずその行方を捜し始める。
一方その頃、夜トは恵比寿と共にイザナギから逃れようと、いまだ黄泉を彷徨っていた。イザナギの支配下にある黄泉は二人を逃がすまいと迷宮の様を呈し、次々に襲い来る大量の敵を前に二人の体力は限界に達していた。当初は「父親」命令で恵比寿を救おうとしていた夜トだったが、「人に認められるような、ひよりが喜んでくれるような存在になりたい」という自らの願いを思い出し、今度は自分の意志で恵比寿を救おうと殿を買って出るが――。

感想

血が滲むまで唇をゴシゴシするひよりの姿に涙すると共に、藤崎への殺意がふつふつと……OKベイベー、その殺意はもう少し後までとっておくんだ(?)。
ひよりのように夜ト達へ強い想いを抱く人間でさえも、一月もすれば自力では彼岸の事を思い出せなくなるというシビアな事実。夜トが忘れ去られやすいのは仕方ないとしても、特定の地方や部族でしか信仰されてない神などは、時代の移ろいと共に忘れ去られることも多かったのだろうな……と切ない妄想が広がってしまいました。そういったエピソードを描いた良作として「夏目友人帳」を思い出してしまったな、と。
ひよりが喜んでくれるような存在になりたいと願う夜トですが、そのひよりも雪音の無意識のナイスアシストが無ければ彼のことを忘れていたわけですから、そういった意味でも雪音は文字通り夜トの道標となりつつあるのかも。たとえ本人達が意図しなくとも、互いにその存在を支えあうような縁を築きつつある、というか。
忘れられれば消えてしまう夜トに対し、有名神である恵比寿はたとえ今の彼が死しても代替わりする訳ですが……今の恵比寿自身がいなくなってしまうことには変わりなく。代替わりが多く「慣れている」はずの恵比寿でも、やはり自らの死に思うところは多いようで、でも神々の常識としては代替わりは悲しいことではないような雰囲気もありますから、恵比寿にとって夜トが真剣に「今の恵比寿」の身を案じてくれたことは何よりの福音だったのかもしれませんな。

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なにやらサントラの方が「イスラム由来の『教義的に音楽と共に使っちゃいけない』音源」を使用していたとかで発売停止になっているそうで……。販売側の手回しが早かったので大きな問題にはならないでしょうが、「神」を扱った作品が「宗教」が原因でトラブルになってしまったというのはなんとも因果ですね。クリエイターさんが何かと気を使う必要のある世の中というのは、いいものなのか悪いものなのか。