たこわさ

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問題児シリーズ最新作「ラストエンブリオ 2 再臨のアヴァターラ」感想

少々フライング気味にゲットし、早速読了。ほんの少しいつもより待たされた分、中々に「濃い」中身になっておりました。
(以下ネタバレ)
1巻を出題編とするなら今回は解答編。伝説の怪物「ミノタウロス」を巡ってその正体と打倒方法を探るという「問題児シリーズ」お馴染みの展開をベースに、箱庭世界では焔が、外界では十六夜がそれぞれにゲーム攻略を目指すという前回からのダブル主人公的視点を踏襲しつつ、満を持して「黒幕」である謎のコミュニティ「アヴァターラ」が表舞台に名乗りを上げるという、丸ごと今後のシリーズのプロローグといった態。新キャラクターも続々登場ながらも、今回は顔見せ+α程度なので今後の活躍に期待。特に、十六夜達との意外な因縁が明かされた某・魔王や満を持して登場の彩鳥の師匠の一人とか、キャラ立ち過ぎ。
新キャラクターに負けじと、旧シリーズの登場人物もじわじわと登場し始めてます。口絵イラストの段階でペストが登場する事はネタバレされていますが、そのマスターもきちんと登場する上に何かちゃんと育っちゃってて……。本文を鑑みるに、ペストは肉体的成長しないようですからジンくんだけ大人になっていってしまうのね、と本編とは全然関係ない感慨を抱いてしまいました。彼等の立ち位置もいまだに不明瞭ですが、「アヴァターラ」の性質を考えると殿下も所属していそうなので、ジンくんも彼らに与してるんですかね? また、気になるのは旧シリーズの残りの主人公である飛鳥と耀の現在ですが……二人とも直接は登場しませんでしたが、関連深いキャラクターが登場していたり彼らの口から名前が語られたりなど、忘れられていないようで安心(笑)。まあ、耀は多分次回位に出てきそうな雰囲気ですが。
さて、今回の目玉は何といっても彩鳥の――14歳とは思えない発育振りに思わず焔も悶々としてしまった肢体……ではなく、女王騎士としての「復活」ではないでしょうか。預けておいたギフトカードを女王より受け取った事により、連接剣・強弓・長槍の高速持ち替えによるオールレンジ戦法を取り戻し、焔には自らの出自を(間接的とはいえ)明かし、ようやく憂いなくフォワードとしての役割を果たせるようになりました。まだ「慣らし」の最中なのに申●豹やミノタウロスを圧倒するような絶技を見せ付けてくれちゃって……。
彩鳥に負けじと鈴華も隠していたもう一つの能力を披露したし、焔に至ってはゲームをクリアして太陽主権の一つを手に入れた(?)ものですから、旧シリーズの面々とはまた違った方向でチートキャラとして育ちつつありますね。まあもっとも、今回は敵の面々がいきなり魔王・神獣クラスばっかりなのでシリーズの初期の十六夜無双みたいなことにはならないでしょうが。
その十六夜も、何だかんだあって相棒のグリー共々外界に留め置かれる事になってしまい、今後はその辺がネックになって事件の冒頭から関われない事態とか増えそうですね。次回は某・駄神が帰ってきそうな雰囲気があるので、是非とも二人の変態コンビを復活してほしいのですがw

あと全くの余談ですが、今回妙に面白く感じてしまったのが、メインキャラの一人であるミノタウロスことアステリオスが、作者氏もプレイしてるスマホゲーム「Fate/Grand Order」の直近のシナリオでも取り上げられていた事。私の記憶が確かなら脱稿時期付近に配信されたシナリオだったから、ご本人驚いたんじゃないでしょうか?(笑) もちろん、同ゲームのアステリオスと本作のアステリオスは全然性格も能力も取り扱われ方も違います。Fateの方は萌えキャラだし(?)。

あとがきによれば次巻は4〜6か月後を予定だとか。まあつまりはいつも通りですね。予告されているサブタイトルは「暴走、精霊列車!」――ってなんか良い意味でB級パニック映画っぽいよ!?(笑) これは期待せざるを得ない。