たこわさ

アニメやゲーム、映画・本などのレビュー・感想・情報を中心にお送りする雑多ブログ。

「劇場版 蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ- Cadenza」感想

ものぐさな私にしては珍しく、公開後数日で観てまいりました。端的な感想としては……早々に観に行って損はなかった! といったところ。主だったキャラクター一人一人にきちんと見せ場が用意されていた所も好印象。私の大好きなタカオももちろん活躍してくれますが、コンゴウ好きな紳士淑女の皆様も期待して観に行くといいですよ!
(以下ネタバレ)
物語は前作「DC」からの直接の続き。TVシリーズから描かれてきた原作とは異なるオリジナルストーリーの完結編となります。
基本的な流れ、というか物語全体のノリはテレビシリーズを踏襲した印象。小難しい戦略やら人類側の政治的な揉め事については最低限の描写に留めておいて、どちらかというと群像達が理想を貫く為に奮闘する姿や、メンタルモデル達が「自分」を獲得していくまでの過程を描くことに注力していたように見受けられました。
やたらと規律を重視するヒエイの姿勢は、姉と慕っていたコンゴウの変化を受け止めきれなかった事への裏返しだし、今回のラスボスたるムサシの行動原理に至っては「父」と「姉」を失った事による暴走と呼べるもの。なので、ある種TVシリーズの焼き直しのような展開とも呼べるのですが、そもそも一連の事態は翔像が群像と同じ理想を抱いていた事に起因しているので、TVシリーズで群像が貫いた理想は正解だったんだよ、と示されたともとれるのかな、と。
ある意味で「元凶」となってしまった翔像ですが、それは彼が「父」として有能すぎる人物だった事の証左であり……。まあ、少なくとも群像は真実を知った事で救われたでしょうが。
あの結末については、正直もう少し饒舌になってもらいたかったな、と思ったり。一応エンディングのイメージカットからどんな状況になっているのかは予想できますが、ちょっと寂しかったり。墓前で群像の前に現れたであろう「彼女」についても、ちょっとあからさまだったかな、と。