たこわさ

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うしおととら 第拾弐話「遠野妖怪戦道行〜其の壱〜」感想

今回の満足度:4点(5点満点中)
(以下ネタバレ)

あらすじ

旭川へ向かうため雷信とかがりに別れを告げた潮ととら。しかしその矢先、乗っていたバスが大量の妖怪に襲撃されて崖下に転落してしまう。他の人間を巻き込む事をも厭わぬ妖怪たちは、みな口々に潮への――潮の母への怨嗟の声を響かせていた。訳も分からぬまま応戦する潮達だったが、バスに残った人々を巻き込むわけにはいかずその場から逃げる事を余儀なくされる。その最中、とらと離れ離れになった潮は、敵意を持たない妖怪・河童と出会い、何故自分が襲われているのか、何故妖怪達が自分の母親の事を知っているのか、その理由の一端を聞くことになる。全ては「白面の者」と呼ばれる強大な妖怪との戦いから始まったのだと――。
一方その頃、とらは昔馴染みの妖怪・一鬼と遭遇し、何故人間である潮の肩を持つのかと詰問される。自分にとって潮は「餌」だといつもの答えを返すとらだったが、一鬼は納得せず、とら――人間にはどこまでも残酷になれた妖怪・長飛丸らしくない、と挑発する。意地になったとらは一鬼達が潮を襲う事を傍観すると宣言してしまい――。

感想

雷信やかがり、オマモリサマ達と心を通わせた潮が、今度は言葉を交わす事も許されず一方的に妖怪達に襲い掛かられるというある種の逆転構造から始まるこのエピソードだが、実際には今回のように相互理解など何の意味もない、殺伐とした関係が本作における人間と妖怪のありのままの姿だというのが何とも残酷。今まで倒してきた人の世に害なす化け物達も、妖怪の仲間内から見ればもしかしたら――と思ってしまったであろう、潮の逡巡する姿が何とも痛ましい。
しかし、そんな中にあっても河童のような心優しい妖怪との出会いもあり、雷信やかがりが「仲間」の妖怪達と敵対してまで潮の事を守ろうとしてくれたその姿には希望を感じてやまず。小夜に伴うオマモリサマもきっと味方してくれる事だろうが……彼らと合流するまでの間に潮がかつてない試練に立たされるのではないか、と思わせる流れだったようにも見受けられた。とばっちりを喰らった路線バスの乗客達、死んだ運転手。潮と妖怪達の戦いの場に偶然居合わせてしまった老人と彼が住むであろう集落……。潮も河童も「妖怪達も人里では無茶はすまい」と思い込んでいるが、有無を言わせず襲い掛かってきた彼らにそんな理性が残っているかどうかは怪しいもので。
次週も気の抜けない展開になりそうだが、私的には大好きなキャラクターである小夜が早々に再登場してくれた事でややテンションが高まっている部分もあり、期待して待ちたい。