たこわさ

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Charlotte 第二話「絶望の旋律」感想

(以下ネタバレ)

あらすじ

星ノ海学園に転入した有宇は、友利や高城と同じクラスに編入される。高城は色々と世話を焼いてくるが、友利は「生徒会長」という肩書とは裏腹に人を寄せ付けない雰囲気を纏っており、クラス内に親しい人間もいないようだった。その様子に、有宇は違和感を覚える。
半ば無理矢理に生徒会の活動を手伝わせられる有宇は、その活動の中で友利から「能力者が警察や研究者に見つかれば実験台にされる」と明かされる。納得していない様子の有宇に現実を突きつける為なのか、友利は研究者に捕まり実験台とされてしまった自分の兄のもとへ彼を連れていくと言い出す。
友利と有宇が向かったのは、街を遠く離れた美しい風景に囲まれた病院。しかしその環境とは対照的に、入院している友利の兄は完璧に正気を失い錯乱しており――。

感想

主人公やヒロイン(の身内)にかなりえぐいレベルの不幸な過去がある事が真っ先に提示される、世界観に隙が多すぎる、極端に頭の緩い女の子が出てくるetc...。麻枝作品に共通するこれらの要素が今回も健在で、正直呆れかえってしまった。とはいえ、それらを圧倒するような「過剰な何か」を期待してしまうのも麻枝准というブランドな訳だが。

友利達が堂々と他校に乗り込んで大胆不敵に調査活動をしている姿を見るに、「研究者」一派も公権力と結びついているとはいえあまり過激な方法で能力者を確保できないのだろう、という背景が見えてくるが……そもそも残酷な人体実験を行いそれを隠ぺいできていて警察とも通じているような連中が、あれだけ目立っている友利達に手を出せないという点が不可解過ぎ、世界設定の杜撰さを感じてしまう。今後のエピソードでその辺りの理由を補足してもらいたい所。

友利のクールなようでいて感情の起伏の激しい、享楽的なようでいてニヒリストにも見えるというちぐはぐな人格。それが、一言とでは言い表せないような複雑で残酷な過去と、現在進行形で続く「兄という形をした」絶望、そして自分や自分の同類達がいつ同じ目にあうか分からないという恐怖や不安、怒りによって成り立っている事を明示した点は、「Angel beat!」における「ゆり」のパーソナリティをアニメ内できちんと描き切っていなかった事への反省に基づくようにも感じた。*1*2

第一話であれほど見事な下衆っぷりを見せてくれた有宇に、今回は多少皮肉屋ながらもどこか友利を気にかけるような部分が見受けられ、彼が下衆な行動を取っていたのにも深い理由があるのかもしれないと思い始めたが……ただ単にキャラクターがブレている可能性も排除できず、今後も慎重に見極めたい所(苦笑)。

*1:ゆりについては漫画版「Heaven's Door」において、自分勝手で復讐心や恐怖だけを糧にしていたところを、日向によって救われる過程がしっかり描かれていて「なぜこれをアニメでやらなかった」と思わずにはいられなかった。

*2:人を馬鹿にしている時のいたずらっ子ぽい友利の姿はなんとも可愛らしく私的にはどストライクだったが、あれが今は失われた彼女本来の性格だという点には非常に胸が痛んだ。