(以下ネタバレ)
あらすじ
容疑者として逮捕されてしまったコバヤシ少年。しかも、事件発生当初と異なり今度は報道規制はされず、名前こそ隠されているものの大々的にマスコミ各社に取り上げられてしまう。その為、学校ではコバヤシ少年が犯人ではないか、という噂がまことしやかに囁かれる。しかし、それらは全て真犯人を炙り出す為にアケチや警察が仕掛けた罠だった。
その意図を汲んだうえで、コバヤシ少年は逮捕直前に友人であるハシバに、犯人を揺さぶる為の策を託しており――。
感想
事件の真相よりもコバヤシ少年の魔性の魅力に恐れ慄いてしまう。ハシバがコバヤシ少年に対し明らかに友人という域を逸脱した好意を抱いている事は前回からも察せられるが、被害者である教師までもがコバヤシ少年に思いを寄せ、それが真犯人の動機にも繋がるという……魔性と呼ばずして何と呼べばいいのか?
前回から描かれていた、一部人間を除いて「他人がシルエットに見えている」というコバヤシ少年の視点、その正体(の一部)については前回既に示唆されていたが、今回それが半ば明示された事自体が、コバヤシ少年の異常性を際立たせる演出になっており、決して斬新な手法ではないはずなのに思わず背筋が震えてしまった。
しかし、今回のエピソードがアケチによるコバヤシ少年への試験であるという点を差し引いても、アケチではなくコバヤシ少年の方にこの作品における探偵役兼狂言回しの役割が与えられているのでは? と感じてしまった。恐らく次回以降はアケチ中心の物語が進むのではないか、とも思うが。
明らかに場違い感のあるハシバが今後どういう役割を担うのかも興味深い。恐らくは、変態揃いの捜査陣の中で、一人だけ常識の枠内で物事を考える役、なのだろうが。
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