たこわさ

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Fate/stay night [Unlimited Blade Works] #24「無限の剣製」感想 及び使用された原作BGMについてとか士郎が何故勝てたのかとか

原作プレイ済み。映像化作品全て視聴済み。
(以下ネタバレ)

あらすじ

エア発動の余波で吹き飛ばされ、倒れ伏した士郎。しかし、彼の心は折れない。アーチャーとの戦いで得た「答え」が彼を突き動かす。立ち上がった士郎に止めを刺すべく宝具の雨を撃ち出すギルガメッシュ、だがその攻撃は駆け付けたセイバーによって弾かれる。自らがギルガメッシュの相手をすると一歩踏み出すセイバーだったが、士郎は彼女を制し言い放つ、自分がギルガメッシュを倒す、と。だからセイバーは凜を助けに行ってほしい、と。
呆気にとられるセイバーだったが、士郎の言葉に強いものを感じ、それを受け入れる。別れ際、自分はセイバーに何もしてあげられなかった、マスターに相応しくなかったと謝る士郎だったが、そんな士郎に対しセイバーは首を横に振る。アーチャーとの戦いで士郎が得た答え、それはセイバーにとっても福音だった。士郎は、既に彼女を救っていた。だからセイバーはこう答えた、「あなたは私のマスターだ」と。
セイバーが去り、再び対峙する士郎とギルガメッシュギルガメッシュは士郎の言葉を不遜だと怒りを露わにし再び宝具を撃ち出すが、士郎は格段に速度、精度の向上した投影でそれを相殺する。士郎はようやく気付いていた、自分の投影魔術の本質が「剣を作る」ものではなく「自分の心を形にする」ものだと。そして士郎は遂に発動する、アーチャーが理想の果てに得た光景、無限の剣製――固有結界「Unlimited Blade Works」を。

一方、凛のもとへ駆け付けたセイバーは目の前の光景に戦慄を覚えていた。肥大化し巨大で醜悪な肉塊と化した聖杯の器、そして上空の「穴」から溢れ出す呪いを帯びたおびただしい量の泥。凜は、その泥と肉塊の只中にいた。凛を救う為に泥の海に踏み込もうとするセイバーだったが、唯一聖杯を破壊できる存在であるセイバーを失う訳にはいかず、凜は令呪でそれを制止する。
「自力で抜け出せる」とセイバーに強がる凛だったが、既に体力も気力も魔力も限界に達していた。そこに追い打ちをかけるかのように、聖杯の器が更に肥大化し、遂には凛と慎二を飲み込んでしまう。肉塊に挟まれ最早逃れられぬと覚悟した凛は、令呪を使い自分達ごと聖杯を破壊しろとセイバーに命じる。必死に令呪に抗うセイバー、死を受け入れた凛。しかし、そこに死んだはずのあの男の声が響き――。

感想

原作BGMのアレンジ曲目白押しで泣いた。
無限の剣製の格好よさで泣いた。
凛の気高さに泣いた。
ボロボロになっても魔力が尽きかけても最後に士郎と凜を救ったアーチャーの姿に泣いた。
満を持してのエクスカリバーで泣いた。
去りに側にセイバーが見せた満ち足りた笑顔に泣いた!
アーチャーの最後の笑顔に泣いた!
士郎の「帰ろう、遠坂」に泣かされた!!
……というように比喩表現ではありますが死ぬほど泣かされてしまいました。ものの例えだよ? 本当には泣いてないよ!?(目を真っ赤にしながら)
そしてそれら泣き要素全てを上回るラストの凜のサムズアップ! なんだあのイイ女。可愛いじゃないか、この!w
今回は言葉を尽くして語るよりも、上記のように思った事を素直に箇条書きにする方が私の抱いた感情が伝わると思うので、感想はここまでとして、以下はまとめ及び考察的なものをば……。

彩を添えた原作BGMアレンジの数々

Twitterにも投稿しましたが、今回使用された原作BGMをもとにしたアレンジ曲は

だけはとりあえず聞き取れました。他にもあったかもしれませんが。「THIS ILLUSION」については原作のピアノバージョンがもとになっているっぽいですね。
「Sorrow」と「新たな夜明け」の使い所は実に原作愛に溢れたものでした。
前期がほぼオリジナル曲で、ラストの「THIS ILLUSION」と、アーチャーのテーマBGMに「エミヤ」のごく一部のフレーズを取り入れていた以外、原作BGMが使われていなかったのは、この時の為の布石だったのでしょうね、恐らく。
本作のBGMはフィルムスコアリング、つまり映像が出来てからそれに合わせて劇伴を作る、という手法ですので、シーンとの親和性は他のアニメと比べるべくもないですねぇ。

士郎の強さの理由

ギルガメッシュに何を言われようと、士郎は既にアーチャーとの戦いで「答え」を得ている、例え自分が偽物でも理想の果てに望むものが何も得られなくても、それでも走り続けるという意志を固めている訳で、彼の心が折れなかったのは当たり前のことですね。
もちろん、それだけでは英雄王に勝てはしない訳ですが、本作は今までのエピソードでそこの辺りの理由をきちんと描いてきているので、よもや理解できなかった視聴者がいたりはしませんよね? と野暮な前振りは止めて、士郎が何故あれだけの強さを発揮したのか、本作での描写から読み取れるその理由を箇条書きでまとめておきます。*1

  • 士郎はアーチャーとの戦いで彼の経験や知識を吸収済みだった。
    • ローアイアスもその知識の中に存在していたから出せた(はず)。
  • 作中の描写から、ギルガメッシュが宝具の射出と肉体を使った攻撃を同時に行う事は出来ないと思われる。対して、士郎は動きながら宝具の射出も出来るようなのでこの点がまず有利。
  • 固有結界展開後の初っ端の一撃で、士郎は後の先を取っていた。つまり、ギルガメッシュが宝具を取り出してから射出するまでのわずかの間に、士郎は宝具の射出までを行える為、宝具の撃ち合いでは常に士郎の方が早い。
  • 士郎は「半端者同士」と言っていたが、宝具の持ち主に過ぎず使い手ではないギルガメッシュに対し、士郎達の投影は武具に込められた使い手の技量がある程度フィードバックされているので、剣戟でも十分強い。
    • この点は葛木との初戦で明示された通り。
    • でも特撮ヒーローばりのスタイリッシュアクションは流石にやり過ぎだと思ったw
  • ギル様がボロボロになるまで本気を出さなかったから。
    • 逆に言えば、最初から本気出されたりエア使われたりしてたら瞬殺されてたはず。
    • 最後にエアを取り出しましたが、その時にも一瞬使う事を躊躇してしまい、その隙を突かれて士郎に腕を切り落とされてしまったのが最後の敗因。

こんなところでしょうか?

そういえば、士郎がギル様に最後の一撃を喰らわすとき、何か叫んでましたがよく聞き取れません。字幕組の方に補足してもらいたい所。

駆け抜けた男アーチャー

私を頼む。知っての通り頼りないヤツだからな。――君が、支えてやってくれ。

大丈夫だよ、遠坂。俺も、これから頑張っていくから。

アーチャーと言えば名台詞、名台詞と言えばアーチャーというのがFateシリーズですが(?)、「別に、アレを倒してしまっても構わんのだろう?」が最も格好いい名台詞だとすれば、上記二つは最も涙腺を刺激される名台詞と呼べるでしょう。どちらとも凛の身を案じた、彼女の背中を押す為の言葉だというのが、なんとも。アーチャーにとって凛がどれほど大切な存在だったのか、分かろうというもの。ここまで描かれているのに「え、アーチャーって凛を裏切ったじゃん、何調子いいこと言ってるの?w」とか的外れな事を言っている奴は二度と物語について語らないでください。んな奴ぁいないと思うけど。

次回はいよいよ最終回。エピローグに丸々一話使ってくれるのは嬉しい事この上ない。

*1:もしかしたら菌糸類の人が手ずから補足とかしちゃったりする可能性もありますが、ここではあくまでもアニメで描かれた部分のまとめ、とします。