たこわさ

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やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。続 第12話「未だ、彼の求める答えには手が届かず、本物はまちがい続ける。」感想

第一期視聴済み。原作既読ですが、基本アニメで描かれた部分のみの感想とし原作の話は補足程度に控えます。
(以下ネタバレ)

あらすじ

「あれは信頼なんかじゃない、もっとひどい何か」――陽乃が語った自分に対する雪乃の感情の正体に、八幡は――。
――バレンタインデーが近付き、学内には浮ついた空気が漂う中、奉仕部には三浦といろはの姿があった。二人とも「チョコは受け取らない」と公言している葉山に対し、どうやったら渡すことが出来るのか、頭を悩ましていた。そこに三浦の付き添いである海老名の妄想や、妹に可愛らしい食べ物をせがまれた川崎の依頼なども絡み、収拾がつかなくなる。依頼の多さと厄介さに頭を悩ませる雪乃だったが、八幡の「試食という形ならば食べてもらえるのでは?」というアイディアと、それを受けての結衣の「皆で一緒に作る」という提案、更にそれらを生徒会主導でイベント化してしまおうといういろはの手腕で、あれよあれよという間にバレンタインイベントの準備が進んでいった。
イベントは和やかにつつがなく進み、奉仕部の面々も楽しい時を過ごしているように見えた。いつもと変わらぬはずの日常だったが、その裏で変化は確実に起こっていた。それを感じ取っていた結衣は、イベント以前からどこか一歩退いたような、遠慮したような態度を取るようになっていた……八幡と雪乃には気付かれぬように。それを知ってか知らずか、八幡と雪乃も今まで通りに振る舞い続ける。しかし、イベントに来ていた陽乃はそんな彼らの様子を見逃さず、決定的な言葉を突きつける。「それが比企谷くんの言う本物?」と――。

感想

原作最新11巻の刊行が遅れ、アニメの方が先の展開を描いてしまったという逆転現象が起こってしまいましたが、さて。

陽乃の言葉は殆どが愉快犯的な揺さぶりなんですが、時折本音が混じるのがなんとも。今回のはあからさまに八幡達の「本物ではない」関係を壊そうという意図が見受けられますが……「信頼なんかじゃない、もっとひどい何か」という言葉自体は、恐らく嘘偽りないものなのではないかな、と。少なくとも、八幡には決定的に響いてしまった訳で。悪意しかないし酷い結果を狙っている、けれども時折語る真実は的を射ている……本当に困った人です。

それに簡単に揺さぶられる八幡ではありませんが、陽乃が揺さぶるまでもなく奉仕部の面々の関係には変化が、決定的な何かが起こりつつあります。その正体が何なのかは、今までの描写から推測するしかなく*1、今後の物語で明示される事かと思いますが……少なくとも自分の中で「答え」を得てしまった者が一人、結衣ことガハマさんです。

どうやら八幡が雪乃といい感じになっていた夕暮れの保健室の光景を目撃してしまっていたらしいガハマさん。バレンタインという心躍るイベントを前にどうしても八幡の事を意識してしまいますが……彼女の中では、八幡と雪乃が互いに惹かれあっている(惹かれ始めている)という認識がほぼ固まりつつあり、自分がズカズカと八幡の懐に踏み込んでしまってもいいのか、思い悩み始めてしまいました。当の八幡から暇な日を聞かれても*2どうしてもその事が頭をよぎってしまいはぐらかしてしまう。まるで、八幡とガハマさんの立場が逆転してしまったかのように。
いろはに「結衣先輩らしい」と言われた時のガハマさんの表情が切なすぎる。彼女らしさって、今までも散々描かれてきた「人と人の間を取り持つ」ところなんですよね、つまるところ。最初の方はそれが日和見ギリギリのラインだったのが、八幡と雪乃に出会う事で彼女自身も変わり始め、言いたい事は言うけれどもアフターフォローは忘れないし、場がギスギスすれば咄嗟に方向転換して停滞する事を防ぐという気遣いも出来るしで、潤滑油のような存在になっていきました。そして八幡と雪乃、二人のツンデレ(というか捻デレ)に代わって正直な感情を表す役目を担ってきました。彼女が八幡と雪乃にとって必要不可欠な存在であるというのは、八幡の「本物が欲しい」発言から雪乃が逃げ出してしまった時に、放心する八幡を彼女が引っ張っていこうとした事からも明らか。……でも、彼女はそんな自分のポジションを、八幡と雪乃との緩衝材かつ接着剤的な立場を保ったまま八幡に踏み込んでいくことを「ずるい」と思ってしまった。二人が自分を必要としてくれている事を知った上で八幡に踏み込むという事は、八幡はそれを邪険に出来ないし、雪乃は自然とガハマさんに遠慮する事になる、そういう事だと。

八幡と雪乃が純粋な両想いだったならば、ガハマさんの「献身」は的を射た行為かもしれませんが……二人の関係はそんな単純なものではなさそうですし、二人がガハマさんに求めているのはそんな事ではない訳で……そこで次回予告のあの言葉がある、とも取れますが。

そしてやっぱりわからないのが八幡自身の本心。前回の感想でも書きましたが、本編で女性陣のあれこれに簡単に赤面している八幡が、ガハマさん相手には殆ど赤面してないんですよ。原作読んでると物凄い違和感がある位に。この演出の意味するところ、そして同じく前回も書きましたが、八幡が奉仕部の「今」を維持したいのならば、わざわざガハマさんに一歩踏み込むような態度はとらないだろう、という疑問。ミスリードで八幡が実際はもっと打算的で残酷な男――結衣という特級美少女に言い寄られて実はいい気持ちになっていてそれを全力で満喫している――でもなければ説明がつかないというか。

そんな訳で、奉仕部的にはとっても重大な局面を迎えている訳ですが、本編の笑い要素はしっかり健在で少しだけ安心しました。あーしさんと川なんとかさんのバトルとか、相変わらずのあざといろはすとか、天然ジゴロ過ぎるヒッキーだとか。中でも折本さんの天然なのか愉快犯なのか量りかねる「比企谷にチョコあげたことあったっけ?」発言がツボ。ヒッキーを意識している面々が次々にハッと振り返りヒッキーハーレム半端ないな、と思わせた所にオチの玉縄www そうか、君もヒッキーに……(違

*1:あからさまに答えが提示されているようにも見受けられますが、ミスリードの可能性もあるので確定はしません。

*2:あれでガハマさんを誘った(例えば小町込みでも)のでなければヒッキー鬼やw)