たこわさ

アニメやゲーム、映画・本などのレビュー・感想・情報を中心にお送りする雑多ブログ。

Fate/stay night [Unlimited Blade Works] #23「顕現」感想

原作プレイ済み。映像化作品全て視聴済み。
(以下ネタバレ)

あらすじ

柳洞寺での決戦を前に凛が立てた作戦、それは、セイバーが山門から侵入しギルガメッシュの注意を引いて時間を稼ぎ、その間に士郎と凛が裏手から柳洞寺に潜入し聖杯の核となっている慎二を切り離し、最後にセイバーの聖剣で聖杯を破壊する、というものだった。しかし、セイバーが聖剣を発動できるのはあと一回、しかもそれを使用すれば最後、彼女は魔力が尽き消滅してしまうという。その原因が、自分が凛から魔力を融通してもらった事でセイバーに回せる魔力が不足したためだと知った士郎は動揺するが、自分自身がそれを望んだと穏やかな表情で語るセイバーを前に、それ以上何も言えなかった。

作戦通りに柳洞寺に侵入した士郎と凜は、醜く蠢く肉塊――聖杯とその上空に浮かび汚らわしい呪いの「泥」を吐き出し続ける「穴」を目撃し絶句する。慎二らしき人影を発見したものの、聖杯の浮かぶ池は既に呪いの泥で汚染されており、対策もなしに踏み込めばただでは済まない。更にそこへ、セイバーが足止めしていたはずのギルガメッシュが現れ、士郎達は一気に窮地に追い込まれてしまう。
しかし、ギルガメッシュは士郎達をすぐには殺さず、聖杯が結実する――人類を淘汰する泥があふれ出すその瞬間の目撃者となれ、と命じてくる。改めて自らが人類を抹殺するその理由――人類が増えすぎた事で生じてしまった余分なものだらけな世界の粛清――を語るギルガメッシュだったが、凛は彼の狂者の論理には応じず慎二救出に向かう。凛の態度を不遜と感じたギルガメッシュは宝具の一撃を彼女へと放つが、士郎がそれをすんでのところで阻止し、ギルガメッシュを食い止めるべく戦いを挑む――。

その少し前、山門に向かうセイバーの前に思いがけぬ人物が立ちはだかった。キャスターの死により消滅したはずのアサシン――佐々木小次郎がそこにいた。最早消滅まで猶予の無い中、彼はセイバーとの決着をつける事を望んでいた。それに対しセイバーは――。

感想

非常にどうでもいい事なんですが、ギルガメッシュが人類抹殺だとかそんなことを言っていると、「いやお前は抹殺する方じゃなくて止める方だろう」とか思ってしまうGガンダム脳の私がいます。師匠ぉぉぉ!!(黙れ*1

今回は前振りというか、前哨戦的なエピソード……と思わせておいて小次郎アサシンの見事な散り際という見せ場を持ってきてくれました! 彼は曲者には違いなかったのですが、剣技は流麗そのものであり、「粋」とか「雅」という豊かな感性を備えた風流人でもあり、正々堂々とした誇り高き人物でもあった。ランサーとは別のベクトルの「いい男」でありました。セイバーの迷いを払ったのも、自分が尋常の勝負を望んだのと同じくらいに、セイバーに剣士としての誇りを失ってほしくなかったから、なのではないかな、と。まさに「涼やかな風の如き」男でした。

なお、小次郎がセイバーに敗北したのは、何もセイバーの聖剣と剣技の合わせ技に負けた、というだけではないようです。小次郎が刀を置いた際に、一部ひび割れてしている描写がありました。それは恐らく鍔迫り合いに持ち込んだ時に生じたもので、既に彼の太刀は万全の状態ではなかったはず。鍔迫り合いに持ち込んだのはセイバーの目を覚まさせるためでしたから、そこまで踏まえると小次郎という男の漢らしが際立ちますね……。*2


アニメオリジナルのサービスシーンもありました。なんといってもギルガメッシュの至宝たる乖離剣エアの登場! 一応、原作でもエアは出てくるんです結局使われる事はなかったので*3、あれはFate/Zeroファンへのサービスなのかな、と。あの征服王を圧倒した宝具が全然活躍しないで終わったら、流石にちょっと残念すぎますからねw

でも、見所に力を入れ過ぎたのか、部分部分の人物作画とか構図がちょっと残念なことになっていたようにも見受けられます。Fate/Zeroで例えるなら「聖杯問答」の回、と言えば伝わるでしょうか。

*1:ちなみに中の人繋がりで言うと、ギル様が若き天才指揮者でセイバーはそれを慕う天才変態ピアニストの後輩、という妄想も。

*2:原作でも似たような出来事があり、それが燕返しの敗れた一要因になっていたと記憶。

*3:原作Unlimited Blade Worksルートでの話。Fate(セイバー)ルートではもちろん大活躍です。