たこわさ

アニメやゲーム、映画・本などのレビュー・感想・情報を中心にお送りする雑多ブログ。

今更ながら「氷室の天地 Fate/school life」に手を出してみた

アニメ「Fate/stay night [Unlimited Blade Works]」のお蔭ですっかりFate熱がぶり返してしまったので、同アニメ第一シーズン放映時からこの「氷室の天地 Fate/school life」を少しずつ購読し始めてました。
本作は、タイトルからもある程度予想がつくように、Fateシリーズの脇役である「陸上部三人娘」の内「氷室鐘」を主役に据えたスピンオフ作品となります。4コマギャグマンガの体裁を取りつつ、Fate本編での聖杯戦争にはあんまり関わらない(多少は関わる)ドタバタな日常を描いた、「日常モノ」と言って差し支えない内容。主役が氷室さんという所が私的にポイント高いです。何気に凛と同じくらい好きなキャラクターです。どこかの腹ペコ王とかいらんのです。
作風としては作者の磨伸映一郎氏の趣味なのか、古今東西のオタクネタ*1にまみれたハイテンションギャグの応酬になっていて、主役は氷室さんですけれども、主に暴れまわっているのは野生児・蒔寺。殆どが蒔寺の暴走→氷室さんの冷静or残酷なツッコミ、という流れなんですが、これがまあ本編(というか続編の「Fate/hollow ataraxia」)のノリを彷彿とさせて実に原作愛に溢れる作風になっておりますが……が――



氷室さんが殆ど別人じゃないかー!(笑)
原作のいつでもCool、動揺する時もCoolなクールビューティー氷室さんとは違って、本作の氷室さんは感情表現がダイナミックかつ案外打たれ弱かったりドジっ子だったり。あ、ドジっ子、というか頭はいいのに推理が斜め上過ぎて暴走しがちな所は原作通りですが。
基本的に本編が面白いので気にならないと言えば気にならないのですが……本作を読んだ後に「Fate/hollow ataraxia」をプレイすると物凄い違和感に襲われるというw
この漫画における氷室さん、どこかで見たことあるよなー、と思ったらモロにぱにぽに」の玲ちゃんでした。眼鏡・いじわる・クール・巨乳・基本ツッコミたまにボケ・案外トラブルに弱いと、ウーンまるで同一人物! あーでも玲ちゃんは貧乏だけど氷室さんはセレブでした。
……まあ、それはともかくとして、三人娘のほかに美綴さんとか凛とかワカメとかも準レギュラーで、そちらの面々も元の人格を保ちつつも中々ぶっ壊れたキャラクターになっていて実に面白い。そして氷室さんのライバルポジションには生徒会長・一成が鎮座しております。彼も、抑圧された原作よりもかなりはっちゃけたおちゃめな性格になっているので、氷室さんと同じく、基本コンセプトは踏襲しながらもその上に乗っかっている個性が大分かけ離れている印象。面白いけど。

更に、FateシリーズのDEEPなファンにはお馴染み、というか私的には凜や氷室さんに匹敵する大好きなキャラクターである「沙条綾香」が準レギュラーとして登場しております! Fateシリーズの「原典」での主人公である彼女、そちらではダメっ子ツンデレ眼鏡魔術師キャラですが、本作はもっと飄々としたミステリアスガールに仕上がっています。本来、彼女はこの作品世界の登場人物ではないはずですが……そこら辺にはなにやら仕掛けがある様子。本作の見所に一つになっております。

――さて、色々と勢いに任せて語ってしまいましたが、本作はFateシリーズファンでありかつ日常系ハイテンション4コマギャグマンガが好きで、マニアックなオタクネタを楽しめる方にはかなりのオススメ作品であると思います。つーか、オタクネタは本当にマニアックです。私も一割位分かりません(?)「まさかの時のスペイン宗教裁判!」とか言われないと分かんないよ!w

ああ、あと「Fate/hollow ataraxia」でフラグビンビンだった氷室さんと一成は、上記の通りライバルキャラとして絡みが多くなっております。そこら辺は実にニヤニヤな展開もあるのですが……本作は原作ともhollowとも少々違った世界線になっている模様なので、人物同士の関係・親しさも結構異なっている、という事を予めお知らせしておこうと思います。そういった設定や人間関係の微妙な違いを味わう、という楽しみ方も出来るかも。

ちなみに、出版元は「一迅社」です。決して「芳文社」ではありません。そこの所を思い違いすると、私のように本屋で「まんがタイム」系の棚を探し回って「ないなー、あれ、ないなー?」となってしまいますよ?

*1:オタクと言うよりはサブカル全般。