たこわさ

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アルスラーン戦記 第八章「裏切りの英雄」感想

原作は遥か記憶の彼方……。漫画版は流し読み程度。なので、原作知識は踏まえない感想となります。
(以下ネタバレ)

あらすじ

カーラーンの元にアルスラーン達の行方を知るという男がやってくる。男は言う、「王子一行は南へ移動した」と。しかし、男がナルサスの遣わした偽の情報源ではないかと勘繰ったカーラーンは、男を斬って捨てた上で、地元民の「王子一行らしき者達が北へ向かった」という目撃情報の方が真実であると判断し、兵を進める。
事実、アルスラーン達は北へ向かっていた。だが、それこそがナルサスの狙いだった。1000人規模のカーラーンの部隊を狭い谷間の道に誘い込む――ナルサスの計略通りに事は進む。更にアルスラーンの行方を捜していたファランギースギーヴも彼らに助力する事になり、1000人対5人の戦いが始まった――。

感想

戦闘シーンがちょっとぎこちないというかスピード感に欠けるというか。アルスラーンの弓連射も何だかちょっと使い回しっぽく見えてしまって、迫力に欠けた印象。
とはいえ、ナルサスの計略→ファランギースらの合流→戦術と少数精鋭により大を圧倒する件についてはスカッとしました。
ラストに銀仮面の正体が明かされ、何故カーラーンが彼に従っていたのか、その理由が判明しましたが……アンドラゴラス王の悪行への義憤とか正当な王を戴く為だとか、そういったものだけではカーラーンが外道とも言える道に走った動機としては弱い印象。おびただしい数の将兵を、民草を犠牲にしてまで王統を正そう、というのではただの殺戮者でしかないし。まだ理由があるようにも思えますね。
カーラーンが最後までアルスラーンに反抗するような態度を見せたのは、アルスラーンの中に王としての資質を感じて、あえて自分は悪役として憎まれる事でアルスラーンに迷いを抱かせないようにした、と解釈。彼が見せた微笑みは、アルスラーンの器量を見抜けなかった事への自嘲か。ギーヴアルスラーンの甘さを無能の発露として受け取ったようですが、カーラーンは全く別のものを見たのかもしれません。