たこわさ

はてなダイアリーから移ってきました。暫くの間、レイアウトの乱れやリンク切れ等あると思いますが、ご容赦を。

Fate/stay night [Unlimited Blade Works] #20「Unlimited Blade Works」感想

原作プレイ済み。映像化作品全て視聴済み。
(以下ネタバレ)

あらすじ

自分の命令に逆らうランサーを令呪で自害させ、凜を聖杯とすべくその心臓を潰そうとする言峰。だが、自らの槍で胸を貫いてもなおランサーは死んでいなかった。最後の力を振り絞り言峰を斃し、慎二を追い払い、凜を解放するランサー。遂に力尽きた彼はルーン魔術で自らの周囲に火を放ち、凜に別れを告げ炎の中に消えていった。

大広間では、士郎とアーチャーの戦いが始まっていた。遥かに各上の――自らの理想の姿であるアーチャーに必死に食らいつく士郎だったが、彼我の実力差は歴然であり、終始劣勢を強いられていた。だが不思議な事に、アーチャーと打ち合えば打ち合う程、士郎はその技量を急激に向上させていった。アーチャー曰く、魔術の中には前世の自分を憑依させその能力を受け継ぐものがあるという。自らの行き着く先、理想の姿であるアーチャーと刃を交える事により、今まさに同じ現象が士郎の身に起こっていた。
だが、それも完璧ではない。技量や投影の精度がアーチャーに近付きつつあるとはいえ、元々の地力が違い過ぎる。アーチャーはその実力差を見せ付けるように、再び自らの宝具たる固有結界「Unlimited Blade Works」を発現させる。そして指摘する、衛宮士郎の「誰かを救いたい」という想いは自らの内から発露したものではなく、かつて自分を救ってくれた衛宮切嗣の理想を追っているだけの「借り物」である、と。
次々に浴びせられるアーチャーの「正しい」言葉の数々、そして技量と共に流れ込んでくるアーチャーの記憶――彼の経験してきた「地獄」の光景を前に、士郎の心は次第にすり減っていく。そして止めとばかりに放たれたアーチャーの刃が、遂に士郎の体を刺し貫き――。

感想

そもそも尺が違い過ぎるので比較するのも酷なのですが、劇場版では割愛され過ぎて「なんだかよくわらかないけど士郎が気持ちの強さでパワーアップした!」みたいになってしまっていた士郎の強さの底上げの理由が、きちんと説明されていてほっとしました。アーチャーと剣を交えるごとに士郎の魔術回路が、体がその影響を受け技量を増していく描写は実に見事。そしてそれでも、例え魔力が尽きかけていても実力差は歴然であり、常に手を抜いているような、まるで一刀毎に士郎を諭しているようなアーチャーの剣戟描写がまた素晴らしい。
Twitterでも書いたのですが、戦闘開始直後はなんだかアングルとか体のバランスとか動きとか色々違和感を覚える出来だったのでちょっと心配したものの、全くの杞憂に終わって良かったです。
士郎が内的世界で自分自身の心と、アーチャーの姿を借りて現れた自らの行き着く先の姿と向き合うシーンがまた秀逸。あのアーチャーはもしかすると、士郎の中に流れ込んできたアーチャーの記憶や経験、魂のようなものと、士郎の中にある「アーチャーが忘れてしまったもの」が融合した、理想に裏切られる前のアーチャーなのかもしれませんね。アーチャー自身が認めたくない彼の本心、とも。
士郎が自分の中で答えを見つけた瞬間に、彼の中にある「エクスカリバーの鞘」が発動して傷が癒える演出も素敵でした。アーチャーの言った通り、元々は切嗣が士郎の命を救う為に彼の体に埋め込んだ聖遺物であり、士郎がセイバーを召喚できた理由でもあるのですが……何故切嗣がそんなものを持っていたのかについては分からない人は、Fate/Zeroを観ればよく分かるので本編観終わった後でもいいのでチェックするといいと思いますよ!(宣伝

さて、士郎とアーチャーの決戦が進む一方、ランサーはようやく自分の戦いに決着を付けられたようです。本作でのゲイボルクは因果逆転なんてトンデモ能力を与えられていますが、伝承通りに「一刺しすればそこから鋭い棘が広がって標的の体内をズタズタにする」能力もあったようで、前回ランサーが自分の胸を刺し貫いたシーンでも、じわじわとひび割れのようなものが傷口から広がっていく描写がありましたね。しかしそれでも死なない、意地でも死なないランサー兄貴の気力と誇り高さには思わず敬礼してしまいます……。そしてそんな物騒な槍でちょっとだけとはいえ刺されたのに生き残ったワカメのしぶとさにもある意味敬服してしまいますわ……。
ちなみに、ランサーが慎二を殺さなかったのは、おそらく凜がそれを望んでいなかったから、なのでしょうね。例え最低最悪の馬鹿でアホで間抜けな小悪党だったとしても、凛にとって慎二は「桜の兄貴」だし「人畜無害」なんですよね……。あんな酷い目に遭わされても慎二に生き残るチャンスを与えようとした凛の気概にも頭が下がる思い。

追記

そういえば、士郎が丘の上で剣を引き抜くシーンは原作PC版ゲームでの凛ルートオープニングへのオマージュなんですよね。思わず懐かしいな、等と思いながら観てしまった事を付け加えておきます。


しっかし、アーチャーは魔力切れ寸前なのに固有結界発動できるってどんな仕組みなんですかね?w 士郎がアーチャーの技量を吸収していったように、アーチャーは士郎と魔力を共有しているのに近い状態だったとか? ちょっと無理があるけど。