たこわさ

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やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。続 第6話「つつがなく、会議は踊り、されど進まず。」感想

第一期視聴済み。原作既読。
(以下ネタバレ)

あらすじ

生徒会選挙が終わって以来、雪ノ下雪乃には目に見えて変化が訪れていた。以前ならば結衣のとりとめのない話にも困った顔をしながらも真摯に受け答えしていた彼女が、今は微笑みこそ浮かべながらも生返事しか返さない。八幡に対しての皮肉的な言動もみられない。
自分のやり方が間違っていたのではないかと疑問に思う八幡だったが、今更結果を変えられる訳もなく、「以前と変わりない日々」を装うほかなかった。
そんな時、新生徒会長となった一色いろはが奉仕部へ相談にやってくる。生徒会長となって初めての大きな仕事、他校との合同によるクリスマスイベントがうまく進んでいないという。手伝いを願ういろはだったが、今の危うい奉仕部の――雪乃の状態を懸念する八幡は、部としてではなく個人でいろはの依頼を受ける事にする。
いろはに連れられてイベントの打ち合わせに同席する事になった八幡だったが、会議の主導権は相手方である海浜総合高校に握られており、しかも彼らの議論は言葉数こそ多いものの「意識高い系」なカタカナ用語を連呼するだけで中身も具体性もない。八幡が彼らの作法に合わせてカタカナ用語を頻用して苦言を呈するも、それすらも都合よく解釈し燃料にして勝手に盛り上がってしまう始末。
更に悪い事に、いろはを会長とする生徒会はまだ上手く機能しておらず、加えていろはが先方に好印象を与える為になんでも安請け合いしてしまう為、副会長以下のメンバーには不満が溜まっていた。
あまりにも山積みな問題を前に呆れ果てる八幡。しかも海浜総合高校側には折本かおりがいて、会議とは関係のない場所でなにかと八幡に絡んでくる始末。環境も状況も最悪な中、果たして八幡は問題を解決する事が出来るのか――。

感想

海浜総合高校メンバーのあまりにも頭の悪い「意識高い系」発言に爆笑を堪え切れず腹筋が痛いです(笑)。*1

さて、八幡の懸念通り、雪乃の感情は完全に諦観にも似た何か支配されてしまいました。雪乃自身の口から明言されていないので真意は不明ですが、状況から察するに彼女は依頼だからではなく自分の意志で生徒会長をやろうと思っていたのに、「友人」である結衣には自分の対抗馬として立候補を表明され、自分の理解者であると信じていた八幡には見事に依頼を達成されてしまい自分が立候補する理由を失くされてしまった――初めて自分自身の欲求から行動したのに、それを無為にされてしまった事への無力感から、あんな状態になってしまったのでしょう。
そんな雪乃に対して、八幡も結衣も打つ手なし。結衣は雪乃が一歩踏み込めば一歩下がるような人間だという事を知っていますから、下手に踏み込む事は出来ない。その結果、その場を取り繕う為に今までのような振る舞いをするしかない。八幡はそもそも一歩踏み込む方法を知らない。ろくに雪乃のまな板もとい胸の内を理解していなかった結果もたらしてしまった今の状況を打開する術が分からない。自分が「守った」葉山グループの変わらぬ日常を眺めていた彼の心中を思うと……。

そこに来て雪乃があんな事になってしまった遠因であるいろはが来たものですから、八幡が彼女を雪乃から遠ざけようと思ったのもやむなきこと。本当ならばせめてガハマさんには手助けを求めるべき所なのでしょうが、それでは雪乃を物理的にも一人にしてしまう。苦肉の策とはまさにこの事でしょう。でも、それは果たして現状維持に向いた方法だったのか?

それにしても、八幡といろはの凸凹コンビ振りも中々のものなんですよね。全ての人の全ての言動に理由や裏があると考える、陽乃曰く「理性の化け物」である八幡。分かる人には分かるあざとさをほぼ全ての行動に乗せてくるいろは。いろはとしてみれば、自分の意図を殆ど汲み取ってくれて、しかもぶつくさ言いながらも何かと手助けしてくれる八幡は、実に使いやす……頼りになる先輩なのでしょうね。
しかし、自然に荷物を持ってあげようとするとか、八幡って本来的には実にイケメンな態度をナチュラルに実行できる人間なんですよね。ある意味あれが八幡本来の姿、とも言えるかもしれません。あれで眼さえ死んでいなければモテるはずなのに。そう考えると、ペットを助けてもらった事で彼のナチュラルな部分に触れてしまったガハマさんが八幡に好意を持ってしまったのは必然だったのかもですね。
そういえば戸塚も何かと八幡に好意的というか懐いた態度をとってますよね。あの態度も八幡の本質的な部分の魅力に気付いているからこそ、なのかもしれません。八幡と結衣の何気ない雰囲気の変化に気付いたのも、上辺だけではなくちゃんと普段から彼や彼の周囲を見ているからこそ、なのかも。
ちなみに折本さんが八幡にやたらと絡むのはただ単に彼がいじると面白いという事に気付いたから、という娯楽的な意味合いだと思ったり。

*1:念のため言っておきますと、社会人が使うカタカナ語は別に「意識高い系」だから使っているのではなく、外来語や略語としてそのまま使った方が通りがいい、という理由で多用されているのが殆どかと思います。例えば「バッファ」という言葉はそのまま日本語に直すと「緩衝」という意味ですが、ビジネスで使われる場合には「リスクを勘案して設定する最低限の日程や人員の余裕」となります。単純に「余裕」と言った場合ユルユルな日程・人員管理とも受け取られてしまいますが、「バッファ」はあくまでも仕事をこなす上で最低限とって置くべき余地ですので、趣がかなり異なります。なお、元々コンピュータの処理関連では一般的に使われていた言葉なので、IT系企業で多用される傾向にあるようです。