たこわさ

アニメやゲーム、映画・本などのレビュー・感想・情報を中心にお送りする雑多ブログ。

「問題児たちが異世界から来るそうですよ? 軍神の進路相談です!」感想

今回で第一部・完で、夏頃には新シリーズ「ラストエンブリオ―問題児たちの帰還(仮)―」が刊行との事。キリのいい所でアニメ二期もやってくれませんかね。やはりBD-BOX買って援護射撃するべきでしょうか?

まあ、それはさておき――。
(以下ネタバレ)
第一部・完と銘打っただけあって、色々な伏線に決着を付けつつ、第二部への布石を大量にばら撒いてくれました。
今まで無軌道というか享楽的とも言えた問題児三人ですが、自分自身の特異能力と向き合う事や激しい戦いを経て、それぞれがそれぞれの目標なり使命なり欲望なりを自覚し、少年少女の時間から巣立つことになりました。
アジ=ダカーハを倒したものの、それは自分の意志を超えた何か大きな流れのようなものが味方した結果の勝利であって、自分自身はアジ=ダカーハに勝ってなどはいない――そんな後悔にも似た気持ちを抱いてしまい、全ての物事に対し斜に構えるようになってしまった十六夜は、以前のように真っ直ぐな自分を取り戻すために、まだ見ぬ強敵と見知らぬ世界と出会う為に箱庭を巡る旅に。
自らの血筋に流れる秘密――外界に流された旧”ノーネーム”メンバー達を祖先に持つ――を知った飛鳥は、自分自身のルーツを巡り、旧メンバー達を探す多次元の旅に。
成長し強大な力を身に着けつつも、今まで意思決定については十六夜や飛鳥頼みだった耀は、新生”ノーネーム”の正当後継者としてリーダーに就任し、十六夜と飛鳥の庇護下から旅立つことに。
息がぴったりの問題児三人組が、帰る場所を共有しつつも、それぞれ別の道に進んでしまうという展開には一抹の寂しさを覚えます。もちろん、今までのエピソードで散々示唆されていた展開ではあるのですが。

問題児三人以外のキャラクターにも転機が訪れたのも印象的。中でも、ジャックの後を継いでコミュニティを支える為に参加者側から去る事を決めたアーシャと、遂にその正体が明かされたフェイスレスが。
特にフェイスレス。彼女に関するエピソードは所々に伏線らしき描写がちりばめられていましたが、彼女の素顔に関しては素直に「やられた!」という感じ。当初からの構想だったのかどうかはうかがい知れませんが、矛盾なくきれいにまとめつつ、見事に第二部にもつなげたな、と。関係深い飛鳥とは別々の道を行くことになってしまったようですが、いつか彼女達が互いに背中を預け合う関係になればいいのに、等と思ってしまう程度には感情移入してしまいました。技の一号・力の二号みたいな(違

さて、そんな訳で三人の問題児は一時退場。次なるシリーズである第二部を楽しみに待ちたいと思います。あとがきで新キャラ三人のイメージイラストが披露されていて、これが新たな「問題児たち」になるようです。巻末の「Another Prologue」の内容から察するに、少年は恐らく西郷焔、少女の内一人はポニーテールなので幼少期に「パイナップル頭」だった彩里鈴華が有力でしょうか? カナリアホームの年長組二人が箱庭に参戦するんでしょうか。もう一人の少女は……金髪っぽいし今回顔出しした久藤彩鳥かもしれませんね。今回わざわざ焔と縁を作っている訳ですから、そのままメインキャラとなってもおかしくないし。年恰好は本編の十六夜達と同年代位に見えますが、そうなると「Another Prologue」の時点で本編から三年経っているので、そこから更に時間が経過する、という事でしょうか。あれ、そうすると十六夜達が二十代前半〜半ばになっちゃいますが……それはそれでいいか! 成長した飛鳥とか凄い見てみたいし。
しかしまあ、焔はともかくとして、他の二人が鈴華と彩鳥で決定だとすると、鈴華はリンとの兼ね合いが、彩鳥に至っては出戻りという恥をさらす事になり、色々とややこしい展開になりそうですが……全く初出の新キャラクターという線もあるかもしれないので、今からやきもきするのは止めにして、静かに新刊を待ちたいと思います。

いやあ、これだけ本編が面白いと、お布施としてBD-BOXに手を出したくなってきますね……。